343 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:01:53 ID:.Glw7IAc0

では定刻となりましたので最終章後半、行きます！

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344 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:03:07 ID:.Glw7IAc0

>>327の続き





　　　　　やる夫は何処かから落ちる夢を見て、はっと目覚めた。


　　　　　　　　　　　 ¨¨¨¨¨ 　 、
　　　　 　 　 ／　 ｉ ｌ! |　　　 　 ＼
　　 　 　 　 ′u | | |ｌ !　　　 　 u. ヽ
　　　　　 / 　 　 ! 　 （___人___）　　 }
　　 　 　 i　u　　　　　 !ililililil|　　　/　　　　　（あかんあかん）
　　　　　 !　　　　　 　 {ililililiﾉ　 ／
　 　 　 　 ゝ　　　　　　　 　 イ..ノ}　　　　　　（眠ってもうてたみたいや）
　　　　　　　　 7　..ノ}　 　 　 !　ノ
　　　　　　 　 /　　.ノ　　　　 |´
　 　 　 　 　 /　　　　　 　 　 |


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346 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:04:03 ID:.Glw7IAc0

　　　　傍らを見ると、翠星石が柱に寄りかかって静かに眠っていた。


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　　　　　　　　　　　　 　 　 /　／∠二r辷＿　　 ｀ヽ＼
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／/::.:/:::／::.:::／::.::/::;ハ　　} l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ,'::l::/:斗-ｘ彡::.;:イ_/ |:l:ﾊ　 ） ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 l|:::|:ｌ|:/､厶:#:／ /:/ ｀!:::!::j斗-‐'′
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ハ:lﾉﾊ#￣.#　　ヾ==ｯ::/:/:{::|
　　　　　　　　　　　　　 　 ∧ﾄ､:ﾍ..# ､ '__　""/::/:/r┘|
　　　　　　　　 　 　 　 　 /::/厶_/::ヽ､　_　彡ィジ ﾊ::|:::l
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　　　　　　　　　　　　/::/に/ j ｀了/| l Lノ八|l丿 : ｌ:::l:|:::|::ヽ
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　　　　　 　 　 ／r 介ｘ :｀ｰヵこ/_Z_⊥ﾚﾍ_爿j_) : : : : ＼::.:::丶:丶
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347 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:04:38 ID:.Glw7IAc0

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　　　　　　　　　　　／　　＼　　／ ＼
　　　　　　　　　 ／ 　　（●）　（●）　＼
　　　　　　　　　 |　　　　　（__人__）　　　|
　　　　　　　　　 ＼＿　　　 `⌒´　　_／
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　（寒天……）
　　　　　　　 ／　　／　　　　　　　　|
　　　　　　　 ＼　　＼　　　　　　　 |＼　　　　　　（固まってるやろか……）
　　　　　　　　　（JJJ）　　　　　　　|JJ）
　　　　　　　 　　　　ヽ　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 /＼　 ＼／
　　　　　　　　　 　　く　　/　　/
　　　　　　　　　　　　(＿/ヽ＿⌒)


　やる夫は翠星石を起こさぬように立ちあがり、そっと重箱のところまで歩く。


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348 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:05:15 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　重箱の布巾を外し、差し込んでくる朝日にかざす。


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　　　　　　　　　　　　　／ '⌒ヽ　　;　'⌒ﾞ＼
　　　　　　　　　　　 ／　　　 　 　 ∪　　 　 ＼
　　　　　　　　　　／ ／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　＼
　　　　　　　　 ／ 　（　　　● l 　 　l ●　　　） 　＼
　　　　　　　／　　　 ヽ_　 　_ノ　　　ヽ_　　_ノ　　;　＼
　　　　　　　|　　;　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"' ∪ 　|　　　　　あ…ああ……
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　　　　　　　 ＼　 　 　 　 　 |/⌒i⌒､|　　　　　　　／
　　　　　　　　　＼　　　　 　 !、＿＿,!　　 　U　 ／
　　　　　　　　　／ 　　　　　　､_＿__,,　　　　　　＼
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349 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:05:53 ID:.Glw7IAc0

　　　餡と寒天は見事に混ざりあい、小豆色の鏡のようにつやつやと輝いている。


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350 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:06:27 ID:.Glw7IAc0

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　　　　 　 　 　 　 ： ／　　　 　 　 ∪　　 　 ＼ ：
　　　　　　　　　　／ ／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　＼
　 　 　 　 　 ： ／ 　（　　　◎ l 　ιl ◎　　　）∪＼ ：
　 　 　 　 ： ／　　ιヽ_　 ∪ノ　　　ヽ∪　_ノ　　;　 ＼
　　　　　　　| 　 ;　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"' ∪ 　 | ：
　 　 　 　 ： |　 ∪　 　 　 ｀┬─'＾ー┬'′　　　　　　 | ：　　　 す、翠星石！
　　　　　　 .：＼　 　 ι　 　 |/⌒i⌒､|　　ι　　 　 ／
　　　　　　　　　＼／⌒⌒ヽ !、＿＿,!　　 　U　 ／ ：
　　　　 　 　 .： ／ 　　　　　〉､_＿__,,　　　　　　 ＼
　　 　 　 　 ： /　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　ヽ ：
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　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫は大声を上げて翠星石を呼ぶ。


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351 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:06:51 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　翠星石が目を覚まして、やる夫のもとへ駆け寄る。


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/: : : : : ノ ⌒) ⌒ヽ　　人　 　 　 　 　 　 ＼　＞　　 __,. 　イ: : 人 　 　 　 　 　 }
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　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 そして、重箱の中を覗き込むと絶句した。


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352 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:07:43 ID:.Glw7IAc0

　　　　　重箱の中身をまな板の上にあけ、包丁を入れる。


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　　　　艶やかに膜を張った、世にも美しい羊羹であった。


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353 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:08:06 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　やる夫と翠星石は切り分けた羊羹をそっと口に含む。

　　　　　　　　　　　　　苗村の大納言の濃厚な味が口一杯に広がっていく。


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　　　　　/ 　 Ｕ 　 　( ー )　　　(ー)　　';
　　　　/'　　　　　　　　 ／ 　　　＼　　　';
　　　/ 　 　 　 　 Ｕ 　 （　　　人　　） 　　i
　　　| 　 Ｕ 　 　　　　　 ｀'''''ﾞ´ 　｀'ﾞ´　　　!
　　　'、　 　 　 　 　 　　　　　 　　　　　／　　　　　　　　　　　　 / ｲ: : :: : : : : : : : l: : i: :l: : : : : : : ヽ,　※　i!
　　　　＼ 　 　　　　　　　　　　　　　　<　　　　　　　　　　　　　.ｲ´: : /: : : /: : : : :.|: : |: :|: : : : : : : : :.ヽ　　　}
　　　　／￣ﾞﾞ'''‐‐‐-----　　　　　　　　＼　 　 　 　 　 　 　 ..,ｨ': : : /: : :/: : : : : : i!: :l.!: ﾊ: : : : : : : : : :.ヽ ※ i!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .i!: : : : l: : :i!: : : : : : //:/　l:.l 　,､-弋:.＼!: : : : l ※.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i!:.:l: : : l: : l: : : : :.:./ //　.//ｨ'´ ＿＿,,｀`l: : : : l　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l: :l: : : :l:.:.l: ―-／／## / 　 ｲけ::ﾊ /　.l: : : :.l ※ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .l:.|!: : : :l: :lﾚ'´ん示 .#／　　　弋:::ｿ 　 /: : : :/ 　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l:|.l: : :､:ﾍ:ﾍ `乂: ﾘ #. 　 　　　 ￣　／/: ／l　※. l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i!.ﾍ: :ヽ: : :ヽ､ ｀´##　 ､ 　　　　　 -‐´'´: / 　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ: :ヽ､`ｰ`ｰ##.　　-.‐　 　 Ｕ　／: :./　※　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／ヽ! 　 　 ＞　,　　　　　　／　 |:./　　　 /: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .／::／: : :l!　※　 |: : : .＞　 , .ｨ'´　　　ﾚ　※　/: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´,ｨ'´／: /.　　　　 ﾘ: : |: : : :/`l　　　 .／　　　 /: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .´ ／: : :/ 　 ※　 /: ,､:|: ／　ヽ _,､ｨ'´ / .※. / ｀`''‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : :ｲ　　　　　/ﾌ´ﾉ｀ｨｹ＝又ﾆ＝=/　　／　　 く


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ついで品の良い砂糖の甘み。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　飲みこんだ後も口の中に小豆の余韻が残る。

　　　　　　　　　　　　　糸寒天が餡をしっかりとつなぎ、けれど決してでしゃばっていない。


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354 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:08:52 ID:.Glw7IAc0

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　　　　　　／ニニニニニニニニニニニニニヽ
　　　　　 ’ニニニニニニニニニニニニニニ ﾊ
　　　　　ｉニニニニニニニニニﾆ}ヽｨニニニニｉ|
　　　　　|ニニニニニニニニ /}/　/∨ヽニニﾆ|
.　　 　 ﾄ.!ニニニニニニ==─…ﾐｘ 0 ／》ﾆﾆﾆ│
　　　　Ⅳ≧ー…ｬ77//--｡-ｫ///l} 0 彳ニニﾆ|　　　　　　　　　　　　　　 寒天は、工夫次第で
　　　　 》　f77ﾊ　 ∨/≧==彡//ノ 　 《ニニニl|　　　　　　ﾄ
　　　 　｀7 V//}　　∨////厶イ==ﾐ 　 iニニニ|　　　　　　|∧　　　　　　 幾らでも化ける食材なんや。
　　 　 　 ⌒i￣ ＿＿￣￣´ 　 》//∧　lヽﾆﾆﾆl|　　　　　　|/∧
　　 ﾄ　　 　 ∨ .//|　ﾄ.　{7∧ ∨///i|　∨＼ニゝ ＿＿ 　 |　 ∧　　　　　けんど、もし今の倍の腰の強さがあったら、
　　 |∧　　　 ∨//|　|∧ ∨∧ ∨//l|　 ｉ}///777{厂三{　 |　 /∧
　　 |/∧　　　 }ヽ/|　|/∧ ∨∧ ∨/l|　 ﾘ　 }////|∧三≧|　 　 ∧.=　　 もっと料理の幅も広がる。
　　 |　 ∧　　､|__i/|　|//∧ 》/∧仆ー=彡'　'/// l|/∧三 i|　　　　三
　　 |　 /∧　　≧彡. 》====≦///　　　l　i　'//三|　 ∧三|　　　　三
＼　|　 　 ∧イ三／三》 ∨////　　　　j　ｌ //三 i|　 /∧ .乂＿_ノ三
/∧.|　 　 /∧.／三 ィ/∧∨///　　　 /　'//三三|　 //∧三三三三
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355 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:09:37 ID:.Glw7IAc0

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　　　　　　　　 　 , -'"´: 　 　 　 　 　 　 　 　 丿 　 ヽ
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　　　 　 　 ,,.'. : : : :　　　　　　　 　 　 　/　/::::::ヽ　ｌ 　 ヽ、
　　 　 　 /. : : : : :　　　　　　　 　 　 　 {　 {:::::::::ﾉ　!　　　ヽ
　 　 　 /. : : : : :　　　　　 　 　 　 　 　 丶　｀　´ ノ 　 　 　 ヽ
　　　 /. : : : : :　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 lｒ‐､‐ ´　/　　　　　 　ヽ
　　 ./. : : : : :　　　　　　　　　 　 　 　 　 l.T~　　　.!、　　　　 人ノ　　　　翠家の旦那さん……
　　/. : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　| |　　　　 ｀i｀ ﾆ二--　i
　 /. : : : : :　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | |　　　　　 ｀´ 　 　 　 l
　,'. : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　　　　 　 　 　 /　　　 旦那さんの言うてはった通りだす…………
　i : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　 　 　 Ｕ　　　　　　　　　 　 /
　i : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /
　', : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　', : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　 ヽ、: : : : : : .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　ヽ､:_: : : : .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　 ｀¨i : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ


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356 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:10:16 ID:.Glw7IAc0

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　 　 　|:. :./／￣￣ヽ:. | |　　 : . ハ:. :. :. :. ,:. |: |#.弋气≠ｧ＝≠=ミｰ'一 ''"　./:.//:/ニｰ-､／:.ヽ:. l!:./:. :. :. /!:./|:. !:!
　 　 　|:. /{　　　　　ハﾍ ,　　　: . :ﾍ:. :. :. :. ,:.l: |##..ヽ　ｲっ;;;;r―ﾉヾ.##.　　 /／ ィ 气乍ｱ:. :. :. :.ヽ!/:. :. :. //:/ j:. |ﾘ
　 　 　|:/ノ　ィ￣ Y　　＼ヽ　　　: . :.＼:. :. :. ヽ＼##..ｒ弋ー‐ぅ '" .##. 　 　 　 ん:::: fﾌ , 1:. |:. :. :. /:. :. :. //:/　 |:. !
　　 /￣　 /;/; ; ; ;{　￣ ヽム ,　 : . : . ヽ＼:. :. :.ヽ:.ヽ ゝ'´ ￣#####　 　 　 　 ゝニ,７ ./: l:. :|:. :. :/:. :. :. ｲ/:/　　j:./
　　{.　　／;/; ; ; ; ;ヽ 厂 ヽハ ,　　. : ＿: . lヽ:. :. :. ＼:ゝ########.　 　 　 :, 　 　 　 /: . |:./:. :..ム　イ:| // 　　 ﾚ
　 ∧　/; ;./; ; ; ; ; ; ; ;￣;ヽヽﾊ ヽ　　: . : . : . : ＼: . : ヽ######　　　　　 　 〉　　　,ｲ:|: . l!/:. :/:/ . : .| |〃
　,:. :.V; ; ;, ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;r‐ ' __＼ヽ　 ／: | ＼: ﾄヽ:.＿: ゝ#.　 r―- zｫ　　　　 . イ-| | : /:.／: .―:‐ | |
./:. :./; ; ; l ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|　　　　ヾ　　 　　 . : : |.　＼　　　 　　 .:￣　　_ .　 ' .∧lイ| |:/／: |: .＼ 　 ! !
':. :. :l ; ; ; | ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ハ 　r― ､',ヽ　　　　　. !　　　＞　.　　　.　 ＜　　　,斗-}; ;.| |': .　　　　　　 j ,
:. :. :.| ; ; ; | ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;!; ;∨＿＿} ＼ヽ　　　　:|＼　 　　 /.￣ 　 　 　 　 /　 ./; ; .! !　　　　　　　 , l
:. :. :.| ; ; ; ! ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ヽ ; ; ; ; ; ;l!　　}ヽ 　　　 |　 ＼　 /　　　　　　　　 {､__/; ; ; ;.N 　 　 　 　 　 | |


　　　　　　　　　翠星石が背後からそっとやる夫を抱きしめ、背中に顔を埋めて泣いていた。


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357 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:10:37 ID:.Glw7IAc0

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358 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:11:13 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　井川屋の奥座敷。


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359 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:11:41 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　先刻からやる夫と翠星石は、二人並んで畏まったまま、

　　　　　　　目の前のダディといく夫の様子を固唾を呑んで見守っている。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 < /: : :/: : : : : : :l: l:.l: : : :.ヽ: ヽ　 ',　, -‐'´
　　 　 　 　 　 　 _..．-――― - ､　　　　　　　　　　　/: : :./: : : : : : :/l:/∧: __: :.ヽ:.:ﾍ　l'´!
　　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 ＼　　　　 　 　 　 ,': : : :l: : : :＿／ /'/'' ´ヽ ､｀:l: : :.!　!:.l
　　　　　　 ／ ヽ、　　　,／　　　　　 ＼　 　 　 　 　 l'l: : : :l: : ´／ ## /　,ｨｪｭ-､`l: : /　 l:.:',
　 　 　 　 /　（● ）　　（● ）　　　　　　ヽ　　　　　　lヽ: : : l-'´,ｨｮｭ.## 　 弋::ﾘ　/: /.※ l: : ',
　　　　　/　　（　　人　　　） 　 　 　 　 　 ﾍ.　　　　　　 ＼:.ﾍ `弋ﾂ.#　　 　￣ /／　 　 l: : :ﾍ
　　 　 　i　　　｀￣⌒｀￣´ 　　　　　　　　　’　　　　 　 　 .l`ｰ`-´.##.'　_　　　'´/: l 　 　!: : :.∧
　　　 　 !　　 　　｀￣ ´　　　　　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 l ※ ゝ､.# ´　 　　／ |: l　※ !: : : :.∧
　　　　　＼　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , ′　　　　 　 　 l　　 l: : :｀' ｰ- ,'´　／´l　　 /: : : : : ∧
　　　　　　 >　　 　　　　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　 　 ./l　　 l:,､r-､-'´l' ／　　 l　 /｀ーｨゝ: : ∧
　　　 　 ／　　　　　　　 - 一…　 ¨￣＼　　　　　 　 　 /: l ※ l:〉ﾉ,.ｨ＝示ﾐ､＿ /　/r‐'ノ｀´ヽ: : :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : :l.　　l〈《　 //ijヾ､¨¨ﾘ!　l ﾉ l´:::::::::::l: : : :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /: : : :.l　　lﾉ.ゞ彳/.ij ヾ∨/l　lﾉr'´::::::::::::::!: : : :.∧


.

360 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:12:10 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　店主も番頭も、羊羹を口にして瞠目したまま、口を利かない。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　　　　　　 　 ／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼　　　　　　　　 |:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ :.|
　 　 　 　 　 　 　 |（●）,　 　 ､（●）､.:|　　 　 　 　 　 |:::::::::/ ._ノ 　ヽ　 ..|
　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　u::|.　　　　　　　　|:::::::〉 （ ○） （○）|
　 　 　 　 　 　 　 |　 u ｀-=ﾆ=- '　.::::::|.　 　 　 　 　 （@　::::⌒（__人__）⌒)
　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　.u ::／　　　　 　 　 　 |　　u 　 |r┬-|　 |
　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､.　　　　　　 　 ＼ 　　　`ー'´ ／
　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i 　 　 　 .....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|.　　　 　 　 | 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜ 　 　 　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


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361 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:12:38 ID:.Glw7IAc0

　　　気の遠くなるほど長い沈黙の後、店主ダディが、漸く口を開いた。


　　　　　　　＿_／ヽ_∠Ｌ_
　　　　　 ／:::::::　　　　　''''＼
　　　. 　 |:::::::::　　　　（●）,　|
　　　　　|::::::::　　　　　　,,イ_,｀)　　　 ひとつ、
　　　. 　 |::::::::: 　　　　　ﾉ.-=ﾗ
　　　　　 ＼:::::::　　　　　　｀ﾌ　　　　 確かめておかなならんことがある。
　　　,,.....イ.ヽヽ::　　､　-─'--､
　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　 　 　 ＿＿＿
　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　 ／＼　　 ／　　 ＼
　　 　 ／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　 .|　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　　　 へえ！
　　　　＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　　　 ./　　　　 　 　 　 　 ＼


.

362 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:13:03 ID:.Glw7IAc0

　　　　 　 　 　 /＼＿＿_／ヽ
　 　 　 　 　 ／　''''''　　　 ''''''　＼
　　　　　　 │:::::::（ー）,　　､（ー） l
　　　　　 　│/') 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,, │　　　　　 この味に敵うもんを作れる店は、
　　　　　　　 /‐:::　　｀-=ﾆ=- '　/
　　　　　　_,,,l ;! |:::＿＿__＿＿/　　　　　　　 大坂中、否、この国中を探したかて無いやろ。
　　 , -‐'ﾞ゛　i::.. 　| .ヽ/;ヽj!　`‐-､_
　　 l 　　　 ﾉ::.　.:|、 .ヽ,:ヽ|　　 <゛~ヽ、　　　 この技があったら、お前はん、商人として天下を取れる。
　　,:''`` ''"ﾞ.|;;:‐''ﾞ|.ヽ、 ヽ;::|　　 /　 .|ﾞl
　 ,:　　　　 ヽ::il;;!　　ヽ､ヽ|　　/　　 | :|


.

363 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:13:19 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　いく夫が瞼を拭っている。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ _＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::, -─､::::,─‐--､::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |::/　　　 Y 　 　 　 ＼:::::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　|/　_,,ノ　　　ヽ､　　　 |::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｃ（≡ ）　　（≡ｒぅﾟo　 |:::::|
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 (⌒　 　 　 　 　 ⌒ 　〈::::::l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　（　　人　　　）　 　 .@）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　Т´＿｀Т´　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　` ⌒ "´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　. 　 丶 .　　￣ ´　　　　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ 　 　 　 　 　 　 .ﾉ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ


.

364 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:13:36 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　 ,　　/ __ノ: : : : : : : : : : : : : : : : :!: : : : :.ヽ: : : : :, : : : : ‘，　　　　　,
　　　　　 ./　　{ノ : : : : : /: : : : : : : : : : : : :|: : ﾄ:、 : : : : : : ', : : : : : :.　　　 ／
　　　　　/ 　　 !: : :.ｉ: : : :ｉ: : : : : : : : : : : : /|: :ｉ|　＼: : : : : : ::' : : : : : : 　／
　　　　./　　　 |: : : |: : : :| : : : i: : : : : : : / :|: :ﾘ ＿_ヽ:_:ｉ＿: :.ｉ : : : : : ∨
　　　　′　 　 |: : : |: : : :| : : : |: : : :＿_/.# !:./　 　　 ', |＼:｀:|: : : : : : :|
　 　 .,　　　 　 |: : : |: : : :| : : : レ':´: : /.##.|/ 　 　 　_斗＝ミi: : : : : : ,
　　　{　　　　　|: : : ｌ: : : :| : ／|: : : ／.##.ノ 　 　 ィ爪:::::j ﾘ ハ: : : : /
　　　.＼　　 　 : : : :.、: : ∨/: |: ∠ ==ミ..##　　　 ゞ''"ﾟ￣｀　 |: : : ∧
　　　　　　　　人: : : :＼ : ∨ ;ｨ八::::::以ヾ.#　　　　　::::::::::::::　|: : :ｲ:∧
　　　　　　　　`ｰ＼: : : :＼: :《乂少''ﾟ´### 　 ’　　　　 　 　 /／i |: :∧
　　　　 　 　 　 　 .|:＼: : : :＼＼####### 　　　　　　　　　/ｲ ７｢|__｢＼
　　　　　　　　　　 |: : : ト : : : :＼＞..###.　　_ 　　 ´　　　　八　 /　┬ ﾉ⌒ヽ
　　　　　　 　 　 ./|: : :人 `トﾐ : : ＼_.##.　　　　　　　 　 ／　 ＼i　ｒ┴{　┬┘
　　　　 　 　 　 /斗-く　_>､)_　　￣＞　__　　　　　　. イ 　 　 i　|Y__　ﾉ　く:::::
　　　　　　 　 ./:.ゝ＼ノヽ,　＼ ＼　　　　＼二二二 ／　　　 ﾉ　}ｲ　/ ７=┘::
　　　　　　　　 :/ :::::::::::У＼ _Χ‐＼　 ＿＿_￣￣「 ／二二¨＜ } `ト {_::::::::::
　　　　　　　　 i:::::::::::::::::'へ 〈 　 `ｰ／／￣￣＞(⌒)く　／　{＞_＞/　 /:::::::::
　　　　　　　　 |:::::::::::::::::::::::Уヽ／ ＼＼ 　 ./　/ ⌒＼＼　./ ｲ　〈 廴[::::::::::::


　　　　　　　　翠星石が、潤んだ瞳をやる夫に向けて、そっと頷いた。


.

365 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:13:57 ID:.Glw7IAc0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼　　　　　　　やる夫。
. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　お前はんがそれを望むんやったら、
. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　私はこの井川屋とは別に、
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　　菓子店としての暖簾をあげさしたろ、と思うが
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　どうや？


.

366 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:14:20 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　やる夫は畳に両手をついて、静かに、しかしきっぱりと首を横に振った。


　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼　　　　　　　　旦那さん。
　　　　　　 ／　　 ＼　　 ／＼
　　　 　 ／　　　（ ―）　（ ―）ヽ　　　　　 私が羊羹作りにまで手ぇ出したんは、
　　　　 .l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／　　　　　 ただ寒天の持つ可能性を広げたい一心でおました。
　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ


　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　　 昔、この翠星石の……
　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　 ／　　 ＼　　 ／＼　　　　　　 翠家の旦那さんが言わはった、
　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）ヽ
　　　　 .l　 　 　 ⌒（__人__）⌒　|　　　　　 料理の幅を広げるような腰の強い寒天、
　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　　　 　 ／　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　そんな寒天を作りたかっただけでおます。


.

367 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:14:50 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　. 　 |　　　,ｒｴｴｪ､　　.::::::|　　　　　　ほなら、お前はんはこの技、
　　　　　　　 ＼　　ヽｒ-ｒｦ　.:::::／
　　　　　,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､　　　　　　自分だけのもんにする気ぃは……
　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　 ／　　　　 ＼
　　　　　　　 　 ／　＼　　 ／　＼
　　　　　　　 ／　 （●）　 （●）　 ＼　　　　　 おまへん。
　 　 　 　 　 |　　 ⌒（__人__）⌒　　 |
　　　　　　　 ＼　　　 ｀⌒´　　　 ／
　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 ＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫は即座に返答する。


.

368 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:15:05 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　. 　 |（ー）,　　　､（ー）､.:|
　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|　　　　　　 よし、わかった。
　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ダディは深々と頷く。


.

369 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:15:33 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　続いてダディは翠星石の方に向き直る。


　　　　 　 　 　 　 　 　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ／　 ''''''　　　'''''' ＼　　　　　　　　　　　　翠家の嬢さん、と
　　　　　　　　　　　 |:::::: （●）,　　､（●）|
　　　　　　　　　　　 |::::　 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|　　　　　　　　　　　　今はこない呼ばして頂きまひょ。
　　　　　　　　　　　 |:::: 　　 ｀-=ﾆ=-'　　|
　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　 ｀ﾆﾆ´　 ／　　　　　　　　　　　　しくじってばっかりやったやる夫が、
.　　　　　　　 __　_＿ ,.〈＼　　　＿ ／
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、　　　　　　　　　　　　 この羊羹を作ることが出来たんは、
　　　 　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
.　　　　 { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼　　　　　　　　　お前はんの力添えが大きおます。
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }　　　　　　　　嬢さんはもう、
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､　　　　　　これを商いにするつもりはおまへんのか？
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,　　　この技があったら、
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '　　　翠家の看板をもう一遍あげることも夢やない。


.

370 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:16:05 ID:.Glw7IAc0

　　　　　 　 .＼　 ／: :./: : :.／: : : : :/: /:.l: : : :ヽxXxヽ　　./
　　　　 　 　 　 〉´: : :./: : /: : : : : : /::/: i:.l: : : : :iXxX.i!.　/
　　　　　　　　/:./: : :/: : /: : :／:／: : : /i:.|: : : : :lxXx!.l､/
　　　　　　 　 i:./i!: :/: :.//:／:／: : : : //.l:|!:l: : : :lXxXl∧
　　　　　　　　|!　i!l/!:./:/:./:/: : : : :／/‐十ﾄ!l: :.:lXxX.l: :ﾍ　　　　　　　　　翠家は父一代限り。
　　　　　　 　 .|" l l |/: l:/:.//／／.／　　|　`!: :.lxXx/: : :.ﾍ
　　　　 　 ,ｨ'´/xXx |ﾄ､:l: l`=-.##.　　 ゝ=-' ./: /xX./: :|: : :.ﾍ　　　　　　　私は、やる夫さんが父の言葉を忘れず、
　　　 .ｨ'´: : :/XxX/riｨ!`ｰ`-.##.　 ,　 　 　 /／lXx.i: : :.l: : : : :`.､
　　　　 : : :./XxX/ｨ´i.`j　 ` ､#.　 ｰ　　 ／´　 |Xx.l:_: : |: : :i: : : :.＼　　　 糸寒天を生み出し、
　　　　..: : lxXxX!..〈 .i.ゝ. 　 ,ｨ=≧､-,,≦＝=,　 lxXlYj､: |: : :|: : : ＼
　　　　..: :,lXxXxl...ｲ, i ﾌ 　 《　　,ｨ又ﾄ､　 　》　ヽX|､ｨj､: : :.:l: : : : :　　　　 その使い道を探ってくれはったんが嬉しおます。
　　　　 .´.lxXxX!....ゝ.i`j　　 ゞ=ｲ"〃ヾゞ=ｲ´.　　＼!､ゝ､: : :l: : : :: :
　　　 　 ./XxX!|.....`i i.ｲ　　　　　〃.ｨj　ゞ､　　　　 ﾍXx＼: : : : : : :　　　　父も、おそらく同じ気持ちやと思います。
　 　 　 /XxXx/......ゝ.i 〉　　　　〃ｲj　ﾄj　ゞ､　ｨｪｸ≠ヽｘX＼: : : : :
　　　../xXxXxi....../`j.i.ﾄ､ 　 　 　 ｲj.....ﾄｨｹ≠ｲ"......./　VXｘX.＼: :
　　.../xXxﾊXx!.／iii ゞｸゝﾍ_ﾊｲ^"ｹ......`´.............././､_　∨XxXｘ.＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　翠星石も、畳に両手をついて首を振る。


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371 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:16:27 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　二人の気持ちを聞いたダディは考え込む。


　　　　　　　　　 　 　 　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 ／　''''''　　　 ''''''　＼
　　　　　　　　　　　 │:::::::（ー）,　　､（ー） l
　　　　　　　　　　 　│/') 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,, │
　　　　　　　　　　　　 /‐:::　　｀-=ﾆ=- '　/
　　　　　　　　　　　_,,,l ;! |:::＿＿__＿＿/　　　　　　　ふむ……
　　　　　　　 , -‐'ﾞ゛　i::.. 　| .ヽ/;ヽj!　`‐-､_
　　　　　　　 l 　　　 ﾉ::.　.:|、 .ヽ,:ヽ|　　 <゛~ヽ、
　　　　　　　,:''`` ''"ﾞ.|;;:‐''ﾞ|.ヽ、 ヽ;::|　　 /　 .|ﾞl
　　　　　　 ,:　　　　 ヽ::il;;!　　ヽ､ヽ|　　/　　 | :|




　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　. 　 |　　　,ｒｴｴｪ､　　.::::::|　　　　　　　よっしゃ、いく夫、出かけますで！
　　　　　　　　　　　 ＼　　ヽｒ-ｒｦ　.:::::／
　　　　　　　　　,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､　　　　　　 お前はんも、支度しなはれ！
　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　そして、意を決したように、後ろのいく夫を振り返った。


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372 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:16:59 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡ ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　｡ O..／.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　ﾟ　 ｡ ＼.|.::::γ⌒ Ｙ ⌒ヽ::::::|　 .ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　-　　･｡ .|::::/　⌒　　⌒　 |:::|..｡
　　　　　　　　　　　 ,　 ﾟ　0 ─／|:::〉 （○） （○） 〈:::|　 ／ ｡　 　 ,'´￣￣｀',
　　　　　　　　　　　　　ﾟ　,,､,ｒ-' .（@ ⌒（__人__）⌒ @）　o 　｡　　,!　ハ　ハ !
　　　　　　　　　　｡　ﾟ　ｒ-'⌒`ー-'´ヾ,. iｒ- ｒ ､//u　│　　｡　･ﾟ　ｌ　フ　ム ｌ
　　　　　　　　　　　　ヾヽ､＿,,,､-､/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-､　　　　 ∠ 　ハ　ッ ｊ
　　　　　　　　　　　　　　ー = ＾～､￣r'´￣｀''ｊヽ､　 〃ヾ ﾟ　｡ 　ヽ フ　　 /
　　　　　ｊヽｊｖｉ､人ノｌ__　　　　　/ /　　ヽ´｛ミ,_　 ￣｀'''-ヽヾ 　　　　　｀￣￣
　　　　　）　　 ハ　 　７　　　 　 /　　/ ｀'＝'´ｌ ￣ｉ'-､＿,,ﾝ ﾉ　｡
　　　　　）　　 フ　 　　て　　　/　　/　　 !。 ｌ　　ｌ　　- ニ
　　　　　７ 　　ッ　　　 （　 _＿ヽ､__ｌ　___ .!。 ｌ＿_ｌ__,-=-,＿＿_
　　　　　 ）　 　!! 　 　　（ ,　　　　　　　　　　 　 　　ｌ　　ｌ
　　　　　 ＾⌒~＾⌒＾~⌒＾　　　　　　　　　　　　　 　ヽ=ﾉ


　丁度、真っ赤な目をしたいく夫が、三切れ目の羊羹を頬張ったところだった。


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373 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:17:28 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　 ／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　　　　　. 　 |（○）,　　　､（○）､ :|
　　　　　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.:::|　　　　　　……………いく夫。
　　　　　　. 　 |.u　　 (＾・＾>　 ｡.:::::::|
　　　　　　　　 ＼ ﾟ　　⌒´　u .::::／　　　　　　泣くか、食べるか、
　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　どっちか一つにしなはれ。
　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


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374 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:17:59 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
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375 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:18:30 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高麗橋通り。


　、　　　　　　　　　 　 `:.、
、 　 ､、　　　　　、　　　`:.、
､＼ヽ､ :.;;:.,..;,:,.,.,..,,..:...;...,..,,,.､丶
| | ｢｢｢｢｢｢｢｢|.|.|.|.Ｉ.Ｉ.ＩTT.ｌ.ｌ.ｉ.ｉ　/`:.、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/"""∧__/.:::|
|_|_|｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣｣.Ｉ.Ｉ Ｉ ｌ.ｌ.ｉ.ｉ./ ''''"＾　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　.::::/""/,;;::::|
,,...ヽ､､＼ヽ､､丶､ヽ､ヽ､､､ ､､`;,,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,:''"/,, .::::/ ,, /,;;;;;;;;;|
| 厂｢干幵幵幵ｌﾛiﾆフﾆﾆｌｉ`ﾞｌxｉ:i::i':,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　/iiiiＩＩＩｲiii而i'竺竺|
|ﾉ川　!│L⊥⊥ﾛ|ノ:::::圀||ミ|x|:i::ﾄ､ `:,、　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,;'""´,;' 　,;'""´,;'　 ''７,,,:: ,./:::,,乍==ﾆ!|
|j_j乢山Ｌiア"毛[i「｀ﾞヽ:::::||ミ|x|:i::| ｉﾞ;.、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,:'' ',:'ﾞ,;'",;' , ,,,,, , ,, /,:, ,,,,;'',,, ,, ,竹iT竹TＴｉ| ㈹　||
凵Ｌ」 ::::::′　下[||○　:::::||ミ|x|:i::| ｌ :　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧,;"「」　[] 　λλTTﾛ何呵可 竹Ｔ竹T!ii|:i:i:|::i:| | |!iＬ乢__||
|　｛::::::::::{　　 津[||亭　}::_||　|x|:i::| ｌ i_　∧∧　　,､,､　n n　∧∧（　　,,）　(*´ﾛ｀) (´v｀*)　ﾉﾘﾚ,, ﾉﾘﾙﾚ ,」 |州州:i:i:|::i:| | |!i|‐-==||
|⌒}:::::::::::　　 盛[|i斗ｬヤi||　i: |:i::| ｌ [__(*´ⅴ) （-＾* )::::::::) ∧∧（∩_∩　（～　ﾉ-(　　ﾉ　（-・　(ﾟ- ﾟ*ﾉﾘ上十┤:i:|::i:|_|_|!i|=‐-=|
|　 };;;;::::::::::ｰ---[||二ﾆ二||　:: |:i::| i⊥ (　　 ヽ(ﾟ*　 ) )　　 (　｀ｰ) (∀・,,) vvv　〉　ﾉ　〉　　 ｌ　i_）(Y　ﾉ　 　 _￣]Ｌ上止H_j|匝市||
|密密密密密密[||三ﾆ=-||　:: i／￣　ﾉ　　〉 (　　 )　　　 (　　 )　(　　 ) (v｀　)　　 　 　 　 Y　ﾉﾉ~~'ゝ ∩∩　.∧∧￣¨¨ｴ!iｉＩＩＩ止|
| ＩTＩTＩTＩTＩTＩTＩT[|H‐!T!「〕∧w∧　 ▲,,,▲　 （　 （　　　　(/`ヽ）　〈　ヽ (　　 )ﾉﾘﾙﾘ λλ (__)　し｀J (::::::::::).(:::::::::::)
ＬＩ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:乢斗也 （　・∀・）（∀｀　 ）　　　　∧＿∧ 　∩＿∩　 し' Jﾉﾘﾟ ｰﾟ（ｰ ｀ ）　　　∧∧　∧_∧::::::::つ
匚￣￣　　 -=ﾆ二￣　　と　　　 ）（　　　 ）　　　 （@Д@* ）（´∀｀*）　　　　 （ つ （v,と）　　　(　　 ´)(ﾟ　　 ):::::::::|
[ _　 -=ﾆ二￣_ 　 　 　 　 .Y　 人　 Y　 人　　　　（つ<V>）と　 <v>）　　　　／~~~~ Ｙ 人　　　と　　|　|　　 |∪∪
{三三二￣＿ _ _ .　　　 　 （＿）｀J （＿）｀J　　　　|　　|　| 　人　 Ｙ　　　　　^^Uヽ)(__)ヽJ　　　| 　 ～ | 　 ～


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376 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:19:11 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　一張羅を着込んだダディといく夫がいそいそと大通りを歩く。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　　　　　　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼　　　　　　　　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　　　　　　 　 .|::::::::ゝ　＼　　／　|
　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　 　 　 　 　 |::::::（ （ ●）　（●）|
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　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　 　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i


　　二人が目指すのは、大店ばかりが並ぶ中、一際目を引く「 櫻 」の文字を染め抜いた暖簾。


.

377 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:19:29 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　菓子店の桜花堂であった。


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　　　　　┳┥│　 ││;;［田田田田］［田田田田］［田田田田］［田田田田］ |..│
　　　　　┻┥└─┘,,|／=======================================;;;|..│
　　　　　　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
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　　　　　─────────‐| 　櫻　　花　　堂.│─────────
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　　　　　　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
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　　　　　|￣￣|￣￣|.　||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
　　　　　|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
　　　　　|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
　　　　　|＿＿|＿＿|／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿


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378 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:19:47 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　. 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|
　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　よっしゃ、行くでえ！
　　　　　　,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　　　　 |::::::::/　＼::::::::／i:::|
　　　　　　　　 |:::::::〉（ ●）::（ ●）.|
　　　　　　　 .（@ ::::::⌒（__人__）⌒)
　　　　　　　 　 |　 　 　 ｀ ⌒´　　|　　　　　　　へえ、旦那さん！
　　　　　　　　　＼　　　　 　 　 ,／
　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　|　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　　　　　二人は頷き合って暖簾を潜る。


.

379 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:20:05 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　おいでやす、と声が重なり、手代が飛んできた。


　　　　　　　　∠　＼＼＿ノ⌒ヽ{　ｆ''　　（__,.、 lヽ_lノ|
　　　　　　　 ／　／ ＼　　ｚ',.-.、V 　 　 　 _ｊノｌ､　 ∧
　　　　 　 　 ｀フ´／ ／ﾞ7´/:;:へヽ　　　　　 ／ｉＶ _//|
　　　　 　 　 /ｌ /／/,／ﾉ　´　　_｀ﾞ　　　　 ' ⌒　Vノ_/
　　　　　　　{/ﾚ'　ノ　／ｊ　　／__.二　　　 ニ、ヽ |/ /
.　　　　　　 /__／ _,ノ 7´　　 '´ｆｨｔ}ノ　,.- ､弌!ン│/
　　　　　　 ´l　/＼ｰ彡 　 　 ｀￣　　´　　　　　　k、
　　　　 　 　 ｌ {/Tヽ　　　 　 　 　 ＿＿＿＿　　 ! |
　　　　 　 　 ヽl　! 「｀　　　　　 　 Ｖ-──／　　ﾘﾉ　　　おいでやす！
　　　　 　 　 　 ＼｀ﾆﾍ. 　 　 　 　 ､｀ ー ´,　　 /
　　　　 　 　 　 　 ｀弋ﾊ　　　　　 　 ￣￣　　 /　　　　　 今日は、何をご用意させて頂きまひょ！
　　　　　　　　　　 　 ヽ|＼　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　 　 |＼.＞　　 　 ､＿ , イ、
　　　　 _,..　--─‐-.､__|::::::｀:::..、＿　　　_／:/
　　　／　　　　　＼::::＼i'⌒V::｢l:｀l|　　 l:｢l::〈
.　　/'´:::::::::::::＼　　ヽ＿|ｒ‐､|:::l」:::l|　　 |:l｣::/７
　 /::::::::::::::::::::::::::＼:{´　 ｌｌ__ｊﾉ!::ｰ:┴(_)´::／::人



　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ノ⌒'" `'ｰ-､::::＼
　　　　　　　　　　　　　. 　 |　 （●）,､（●）､　 .:|
　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,. (,､_,､)､_ 　 .::::|
　　　　　　　　　　　　　. 　 | 　 {,｀ﾄ===ｲ ,}　 .::::|　　　　　　買い物と違う。
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　ヾﾆノ　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､　　　　　 ご主人にお目にかかりとうおますのや。
　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


.

380 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:20:27 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　_,　 =-‐‐-=
　　　　　　　　,,-‐'´　　 ||　　　　　｀＼
　　　　　　／　　　/´｀ヽ|　　／´｀ヽ 　＼
　　　　／　ヾ　　　i　 ,ﾍヾ　''　ﾌ／　 　　 ヽ
　　　/　　　__ヾ__　ヾ|　　　u 　'　／ゝ彡 　 》
　　　ヽ　 ｜　(、__｀ー┐ﾉﾉ　 ／ ／ﾞ 《彡　/
　　 　 ヽ＼ゝ 　 r´￣ヽ 　　ヾ-‐'ﾞ-、ヾ　 /
　　　 　ヽ＼|　 ｛　 (・）　u　 ´(・）　 ｝ < /　　　　　　 あ、えろうすんまへん。
　　　　　 ＼|　　ヽ＿, ,,;;／＼,,,___ ノ　｝/
　　　 　 !´ヽ| .....:::::::ﾞﾞﾞ　＿＿ 　ﾞﾞﾞ::::::: |/｀i　　　　　　 すぐ主に取り次ぎますさかい、
　　　　　ｉ 　 |..:::::　　／__＿___＼　 　.|　ﾉ
　　　　　 ＼_ヽ　 u （　＿＿＿　）　 /,ｲ　　　　　　　 少々お待ちを。
　　　　　　　　＼　　 ´　-‐‐-　｀　/
　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　／
　　　　　　　　　　 |｀:.:.:‐--‐.:.:.:´|
　　　　　　 　 　 ／|:.:.:□｜□.:.:|＼


　　　　　　　手代は驚いたように目を見張り、慌てて奥へと走って行った。


.

381 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:20:48 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　暫くすると、桜花堂の店主が顔を出した。


　　　　 　 　 　 __ノ　／⌒ヽl‐ミヽ}　） l ヽﾆヽ__ノ|
　　　　　　　ｒ'´ /　i/ヽ＼ ,_L＼ｉ {__{ /　ﾉ　　　 ﾉ＿　　　,ｨ
　　　　　 ,.ィ　/| 　 { ｀ﾝ´　　｀~´　　｀ﾞヽ＼___／＿　） ／ ｊ
　　　 　 /　＼l ＼　＼＿＿-､　　　　　｀ｰ‐'＾く　 ﾉ〈_/ //
　　　　　}ノ　i ヽ　｀ト---、　＼　　　 __レ'⌒ヽ|￣ヽ.__//
　 　 　 /　 ノ　ﾉ　,ﾉ ,／__二､! |　 　 ﾚ',.＿,.｀ヽ}ヽ、___ｒ'
　　 　 ﾊ /´／ ,ｨ"　' ｨ'´ｆｨｿノｌﾉ　ｉ,ハ.ヽﾋｔﾘ_〉 　 !＼_ﾉ
.　　　 {　{　i　//| 　　 ｀￣´ 　l　/　　',＼　　　　|/´
　　　　ヽﾊ/__l/ {､　　　　　　 　 ＼　ｿ　　　　　 |
　　　 　 ﾚ'´　ヽ/ ＼　　　　　　　　 ´　　　　　,/l'ヽ
.　 　 　 | /⌒ｉ　　　 ヽ　　　　　_,ィ_ｰ'ニヽ　　i　l/　　　　　　　これは、まあ、
　　　　│＼ヽﾄ､　　　| 　 　 ￣　　 ＿＿,. 　 | /リ
　　　 　 ＼　ヽ} ヽ　 │　　　　｀￣　 　 　 　 ! |/ /　　　　　　井川屋の旦那さんに番頭はんだしたな。
　　　　　　 ＼　｀i l 　 l　　　　　　 　 　 　 　 ｌ l／
　　　　　　　　｀Τヽ　 l　　　　　 ,.　-─--､　 l
　　　　　　 　 　 |　 ＼　 　 　 ／　　　　　 ｉ／
　　　　 　 　 　 /l　　　丶、　/　 　 　 　 ／│
　　　　　　　　/　＼ 　 　 ｀ ＜_　　　 ／　　 ＼
.　　　　　 　 ∧　　　丶、　　　　￣ 　　　　／ ..＼
　 　 　 　 ／　 } 　 　 　 ＼　　　 　 　 　 / 　 　 ﾊ
　 　￣￣　　　│　　　　　　＼　　　　 ／　　　ﾉ　　ゝ


.

382 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:21:17 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　店主は、糸寒天で名を馳せた井川屋を見知ってはいた。


　　　　　　　　r===＜⌒≧== ､
　　　　　 ／⌒ヽ i　ｲ (_＞--ミ ＼__
　　　　 //{　fﾘi　 　 ー一'⌒ヽﾍ＼ハ
　　　　 {//)　)　　,　　 ／＼　{＼＼ ∧
.　　／ ,-,＜´　　〈__／ ___　　 }＼＼　∧
　　{　（{/　 _＼　　　 /rｪｭヽ　ﾉ＼＼　lj 〉
　　_))　)　/_fiｿ　　｀ヽ￣￣´　｀ヽ＼ l |ｌ|　　　　　（と言うたかて、たかだか数年、
　 ｰ一'ｌｌ|　　 {　 〉　　　　　　/　 {, -､i lﾘ
.　　 　 |ｌ|　　　 ___　　 　 　 /　　ﾉ ,ｨfV{　　　　　　 巷で評判とった、いうだけのこと）
　　　 //|　　／--＼　　　 {　　　くiリ }ﾘ
　　　 | iｌ|　 ´￣￣￣｀　　 |　　/, ＜⌒＞　　　　（別段取り引きがあるわけやなし、
　　　 ヽｌ|　　 ｀⌒´　　　　 ,　＜
.　　　　八　　　　　　　　／　 /　　　　　　　　　　　挨拶に来られる覚えもないんやが）
　 　 　 　 ＼//// ＼／/　　.{
　　　　 　 　 }＞--／//}　 　 ｀⌒i
　　　　　　／|　l／/// ﾉ!　　　　　⌒ヽ
　　　　 ／／jイ{///／　|／
　　　　　 {／i_iVﾊイ
　　　　　∧ {ﾛ}'lノｲ


　　　　　　　　　　　　　　　　老い二人を怪訝そうに眺める。


.

383 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:21:50 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　店主は二人を控えの間に招き、改めて問う。


　　　　　　　　　　　　　　,.. -rァニニニニ‐､
　　　　　　　 　 　 　 　 /⌒ヽ《 /　　三 二 ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 _j..γ　 ?　彡　ノ ソ　!
　　　　　　 　 　 　 .γ,.-‐ 彡ヾ　≠ｰヽi 二 ﾉi
　　　　　 　 　 　 　 .{ { ハj　　　 　 　 ゝヽ彡,′
　　　　　　　　 　 　 .ヽヽY.ト廴　　_,.斗　V⌒!
　　　　　　　　　　　　 jﾉ八 込ｯj ﾞ'く 歹 ,　ｿﾉ　　　　　　　　　　　　　ほんで、
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ', 　､_ 　　　/　/´
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾊ 　＿　　 　 ,ト､　　　　　　　　　　　　　 今日はまた、何の御用で？
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ i :､ 　 　 ／／i　ヽ _
　　 　 　 　 　 　 　 ,　' /　 .i: :: :ｰ '　／: : i 　 i　 ｀　 ､
　　　　 　 .＿. -‐'"´　/　　 ﾊ : : /￣ﾊ : : !.　∧　　　　 ＞ ． _
　 　 .,.　'{´ 　 　 　 　 ｰ-ノ .i ',／ 〉 〈. ヽ/j　　＼ 　 　 　 　 　 ﾊ
　　../ 　 V　　　　　　 ／　　V: :: :i:::::i: : : :|　　　 i 　 　 　 　 　 ｉ i
　.../　　　V　　　　　　V　　　V: : j::::::! : : :|　　　 |　　　 　 　 　 ｉ i


　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|　＋
　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　　　　 へえ。
　　　　　　　　　. 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|　+
　　　　　　　　　　　 ＼　　|,ｒ-ｒ-|　 .::::／　　　　　+　　　　　　　ちょっと試してもらいたいもんがございましてな。
　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、｀ﾆﾆ´ーノﾞ-､. 　 　 　 　/＾)
　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　iヽ　__ ‐┘（
　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|´⌒　)二 　ﾄ､


.

384 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:22:19 ID:.Glw7IAc0

　ダディはいく夫に持たせていた風呂敷包みを解いて、重箱の中から漆塗りの皿を取り出した。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::／ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／:::::::::::／::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::／:::::::::::.|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ￣ ￣ ｉ:::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿ .|::::::::::::::|:::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,, -'''"　 　 |::::::::::::::|:::::::::::::::::|　　:゛`'丶.､.......
　　　　　　　　　　 　 　 .　 '´　　　　　　|::::::::::::::|::::::::::::／::..　　::::::::::...`.::::::::....
　　　　　　　　　　　　　　.i 　　　　　　（ |::::::::::::::|::::::／::::.:.:.:. . .::::::::::　　!::::::::::::...
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ､ 　 　 　 . | ＿ ＿|／::::::::.:.:.. 　 　 　 . ,: '.:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　`=ｰ--､....,,,,,_＿＿＿＿_,,,,,... --‐=''´..::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`" '' 'ー───‐―‐' ''' "´


　　　　　　　　　　載っているのは、五分ほどの厚さに切られたあの羊羹である。


.

385 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:22:53 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　. 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　　　　　　 井川屋自慢の寒天を使うた、
　　　　　　　　　　　　. 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／　　　　　　　　　 試みの品でおます。
　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　　　　 召し上がっておくれやす。
　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　 　 　 　 〃　 =ﾐ{　 {{,　＼／￣￣ ￣　ｰ=ミ
　 　 　 　 ._＿__ノ　,〃} 八　乂_／／⌒ヽ }⌒＼ ＼ ＼}､
　　　 　 .⌒＼＿_,ノ }ﾉ/⌒>一　-―-=ミ}ﾉ{ミ、　ヽ. ＼ ｝}
　　　　 　 　 　 　 厂 /⌒´:.　　　　　 　 /八 }〉　　}}ー=ﾐ}
　　　　　　　 .ｰ=彡イ}､　 ..::::......　　/ 　 {｛＿＼＼_乂 ミｿ
　　　　　　　　　　 　 .｝＼{::/ヽ:::..../ 　　乂＿_ ..｀ﾆ=ミ∨
　　　　　 　 　 　 　 .｢{{｀fｯﾐ｝ ,_...:厶斗匕　 {彡／⌒i }ﾉ
　　　　　　　　　 　 八}｀¨ﾆﾉ　⌒K¨亙＞　 ｀´ノ⌒} |´
　　　　　　　　　　　　　　 /::... 　 ﾞ＾　 　 .:／　_｝:;ノ ﾉ　　　　　　　これは？
　　　　　 　 　 　 　 　 ', 〈､_,　　 　 　 　/　　(__,彡′
　　　　　　　　 　 　 　 　 .__　　　　　　/ 　 /{//
　　　　　　　 　 　 　 　 .ｉ　‐-｀丶　　　　／　ﾚﾍ
　　　　　　 　 　 　 　 　 }　　　　　 　 ／　／/ ﾉ{
　　　　　　　　　 　 　 　 .＼__ .. 　 ＜　／／／: :〉
　　　　　　　　　　　　　　厂＼ ＿＿／／／ 　 /⌒＼__
　　　　　　　 　 　 　 -‐/}/⌒⌒ヽﾆﾆ. ／　　 ,/／⌒ｰ--＞‐-
　　　　　 　 　 .／　／〈_/::::::::::::ﾉ }ﾆ／　　　 /　　　　,／　　　　 .
　　　　　　　／　／　　　>ー=彡八/　 ＿__,/　 .....::／ 　 　 ＿___ﾟ,


.

386 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:23:26 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／｀ｰ──一'＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｒ（●）(､_, )､（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　'"トﾆニﾆ┤'｀ .:::|　　　　　　　　　　羊羹でおます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　　|　 　 .:::| 　 .::::|
　　　　　　　　　　　　　　　. 　 |　　　ヽ　 .::::ﾉ　.::::::::|　　　　　　　　　　蒸したもんと違いますよって、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　 ｀ﾆﾆ´ ..::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　　　　　　　　　　まあ、練り羊羹とでも申しますか。
　　　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　 　 　 j/ /￣ ______/　／＿__／　　　 　 　 　 ｀┴ｎl}　ﾘ
　　　　　/ / /／￣ /　/／^＾´　　 　 　 　 i{ 　 ∧　∨／
.　　　　/ / //　　,ィｆ　 /　　　　　　　　　 　 )　/　,}　}（、
.　　 　 ＼__{/　／,ﾉ}l　ｌ{ 　 　 　 　 　 　 　 〈｀/／__}_,| ｝｝　　　　　　　　　　　練り羊羹……
　　　　　 __〕／／　|ｌﾄ､ ＼≧=-　 ＿__　 　 j/ ,ｨj厂｢ l リ
.　　　　 ､＿| ｌ/ｒ'⌒ヽ==ﾐ}l|l／￣＼￣｀ヽ___,ﾚゞ='ィ　 |/　　　　　　　　　　　　（聞いたことないな……）
　　　　　 　 j人}　}＼＿}ﾉ,ﾉ rｆ艾莎ヲ／　　 {＼　　 /|
　　　　　　 ´ 　 ＼ ／　){l ( ^￢冖' /　　　}ｌﾊ　|　　ｌ│＼　　　　　　　　　　 （井川屋の口ぶりからすると、
　 　 　 　 　 　 　 /⌒ /＼__￣＼　'　　　､{　 ∨ 　 | |　　 丶
.　　　 　 　 　 　 /__　/ー‐}｢￣￣）　　　　 ヽ-' ＿　│　　 　 ＼　　　　　　　　糸寒天を使うてるのやろうが……）
.　　　 　 　 /⌒/ 　 /_/　l∧　 ＼　　　 ___,ｨ＿ﾉ ﾉ　∧　　　　　 丶
.　　　　__／　 /　　/'⌒ヽ|　 ､__　 ヽ　´　ｰ―‐ｒ'　 /　{　 　 　 　 　 ＼　　　 （こんな菓子は見たことが無い……）
. 　 　 /｀　 ／　　/ 　 　 }､ │　 〕＞ ､　　 　 ﾉ　 /　 |∧　　　　　　　 ＼
　　　/　／　　 　 　 ⌒Ｖ　|　＼　＼ 　 ≧　 ＿,ノ/　 | ∧　　 　 　 　 　 |
.　　/　/　　　 　 　 　 ,ﾉ＼|＼　＼　＼　 　 l 　 /　　 |　∧ 　 　 　 　 　 |


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　店主は恐る恐る口に運ぶ。


.

387 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:24:14 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして咀嚼した瞬間、信じ難いという表情でダディをみた。


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ー=彡　　＿＿___ 　＼ ＼　} ノ　/ハ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ／-‐=ニ二. ＿＿＿　＼　 ヽ ∨　／/'　}
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 厂 ¨二ﾆ=‐=＝＝=ミ＼ ｝　 }｝ } /／⌒ ｰ‐=ミ
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨ ＞‐一　　／￣￣ﾐ /⌒ー=ミ /⌒　ｰ―=ミ　}
　　　　　　　　　　　 　 　 〈〈ｰ=ニ二 .. ＿／⌒)八 <⌒＼ }{,/^^⌒Y⌒ヽ｝八
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }乂＿＿＿_____彡' /　 ｝ }^⌒´　 　 ::　 |⌒) |/
　　　　　　　　　　　-‐=＝〈ﾆ二¨¨⌒ ー==彡'　_ノ / 　　J　　 .:: 　{_/ 丿
　　　　　　　　´　　　 　-‐=〕 ｰ=ミ　ｰ=ﾆ .. ＿___／　　:::....　U ::..　ﾉ}{(´
　　　　 ／　　　 ,／　 　 ,八{{ Y⌒＼ー=ミ｝厂｝　 U　u ⌒ヽ　 ,:://{ )〉〉　　　　　　（な、なんやこの味わいは……！？）
　 　 ／　　　 ,／　　　　/　 乂| ｛＼ V＝彡　 〉-‐=ミ､_　 　:. ｝|_,ﾉ},}（: |
.　／　　　 ,／　　 　 　 l　 　 八八(〈_ ＼} 　 /'⌒二≧=ミ辷}　|f)ﾉ｛: :｜　　　　　　（うちの蒸し羊羹を凌ぐ……
-‐=＝ミ,／　　　　　 　 |　　　|:ﾆ＼＼_　　　　　　厂{rｆ)ﾉ...:::　　〈'ﾞ　|: : |
　　　 　 ＼　　　　　 　 |　　　|ﾆニ{＼＿,） ＼　 .:｀¨¨´‐'.:::.. 　 ..::.　八: ｝　　　　　　　否、これに比べたら
　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　lﾆニ八　　 ﾟ, 　 ＼　 　 u　 ｕ　､__/ ,′}/
.　　　　　 　 ｝　　 　 　 |　　　|ﾆﾆﾆﾆ＼__∧　　　:.　lj　U　_＿ ..ｨ ′:/　　　　　　　　 うちの羊羹は泥まんじゅうや！）
‐-　 　 　 　 ＼､ : : . .　|　　 人ﾆﾆﾆニ/《_込 　　:}　 　　/｀二ﾌﾉ｛丶>
　 　 　 く: : : : :..＼　: :　}　　 　 ＼ﾆﾆ/{i:i:i:i:i:i}|＞　.　　　 ー=彡'八/
　　　　　 ＼: : : : ::::. 　 {＿_ 　　　}＼｝ }《__》{ |　　　＞　　 ＿_ノ: ..:}
　　　　　　　 : : : ::::}}　　: : /:...　　{ﾆﾆﾆ|i:i:ｉ:ｉ:| |:....∠,　　 /. ........::::::/
　　　　　　　 ｝: :.::/.: 　　 /:::.... 　 {ﾆﾆﾆ|《__》| |:::::.../ 　 /. :....:::::::::/
　　　　　　　　 ／. : 　 　 ＼::::.....::{ﾆﾆﾆ|i:i:ｉ:ｉ:| l:::: /::...../. : ...:::／


.

388 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:24:56 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　/　／　　　 /　　　i
　　　　 　 ｌ /　　　 ／　　/　l　i　　　ﾊ　 i
　　　　.　 i i　 ,.ｨ'´ ノ　／ ／!　l　　 i　l. ,'　　　　 l　 ﾊ
　　　　　 i i　//¨ﾞヽ、_,..ノ ノｌ　 ｌ　　i ,.i ,'__　　 　 ｉ　l　l　　ｉ /l ／l　　ﾘ
　　　　.　l.i. ,'./｀ヽ　 ＼　'／l　l l　V ,ｨ/-‐ ¨.ﾆ ‐l　i_　l　 i./　ｒ''"l　／/　 /
　　 　 　 l ｌ　i　 / ',　　 V ,ﾙi　l l　l　/-‐＝‐-.､.l　iﾞヽi　 ﾘ ; ﾉ _ﾆ!ｲ /　　/
　　　　 　l.l　i　 ! /.入.　 Vｲ ', li ', ｌ　 ｨｾｒﾗ¨￣>ｌ　l ∧ ﾘ　,ｲﾌノリ/ﾉ ／
　　　　.　ｉ ｌ　! .l / {:::ﾉ 　 ＼　Vi､V　　｀¨ー‐'"　ｌ　i' l,.ｲ　 ',｀¨ /ﾘ/／
　＿＿,,..⊥ヽヽ ＼.Y　　 　 ＼　ﾊｌ　Ｕ　　　　　　', .iｲリ 　.ﾊ　iノｲ/
　　　　　/　　 ｌﾍ、｀丶、　　　 ﾞ､　　　　　 　 　 /∧!./　　　 ', l//
　　　　 /　　 .l　 iﾞー- ､}.　　 　 ',　　　Ｕ 　 　 ,'/　V　 ＿　　}/
　　　　/　 　 l 　 ',　　　 ｌ　Ｕ　　 !　　＼　　　;/　,/　ヽ‐　ブ´　　　　　　餡と寒天で、
　 . 　 ,'　　　.ｌ　　 ﾍ　　 ｌ',　　　　　Ｕ　　 ＼　　　 __,,,... Ｙ´/
　.　　,'　　　 l　　　l ヽ　ｌ ＼　 　 　 　 　 　 ヽ_,. -_--一//　　　　　　　　ほんまにこないなもんが……？
　　　;　　 　 l 　 　 i　＼!　　丶、　　　　　　　ｉﾄー--‐'"/
　.　 ;　　　　l　　　　!　 ＼　　:::::＼.Ｕ 　 　 　 ﾘ　ｧ‐--'./
　　 ｉ　　　　l　　　　　　　 ＼　 ::::::::丶､　　　/ ／　 　 ,!
　　.!　 　 　 i　　　　 　 　 　 ＼　ヽr‐'"i＼　 　 　 　 ノ
　　i　　　　　i　　　　　　　 　 　 ヽﾉ　　 l / ｀¨　ー "
　　｀¨　‐- ..,, ',　　　　　　　　／/　　　 ﾚ


　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_／ヽ_∠Ｌ_
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::　　　　　''''＼　　　　　　　　へえ。
　　　　　　　　　　　　　. 　 |:::::::::　　　　（●）,　|
　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::　　　　　　,,イ_,｀)　　　　　　　 けんど作った者はうちの丁稚でおますよって、
　　　　　　　　　　　　　. 　 |::::::::: 　　　　　ﾉ.-=ﾗ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::　　　　　　｀ﾌ　　　　　　　　最初は餡作りの基本も知りませなんだ。
　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽヽ::　　､　-─'--､
　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i　　　　　　　何遍も何遍も仕損じて、
　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜　　　　　　ようよう作り上げた品でおます。


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389 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:25:32 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　桜花堂は、夢中でもう一口食べた。

　　　　　　　　　口に入れた時の質感の良さ。噛んだ時に広がる小豆の深い味わいと砂糖の甘み。

　　　　　　　　　　　　　　　　飲みこんだ後まで口の中に心地よい小豆の余韻が残る。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　寒天がその旨味を閉じ込めて逃がさないのだ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　ヾ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　 /ﾆﾆ　　　 ｀ヽ--- ､
　　　　　　　　　　　　　　 /ニニニニ　　 ＼　} l}　＼
　　　　　　　　　　　 　 _ノニニニニニ　　　 ∨/ ///}
　　　　　　　　　　　　/ニニニニニニミヽ ｀ヽ∨/ /⌒i
　　　　　　　　　　 　,'　　　　 ------=, ---､}　/＼ ｰ─ ､
　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆﾆ　 ニニニﾆ/ /⌒ヽ i /＼二 ヽﾘ　　　　　　　 （負ける……）
　　　　　　　　　　　 |===-- .--==== 〉 〉　　　　　　 |　} }
　　　　　　　　　　___∨ニニ　　　 __ノイ. 　 　U　u　 |ノノ　　　　　　　　 （桜花堂は負ける……）
　　　　　,　＜´　　/　Vｌ/⌒ヽﾆﾆﾉ　 　 U u 　 　 l／|)ﾉ
　,　＜´　　 　 　 / x＜{ Vﾘﾄ Vf´　／三≧x､__) lfｫﾉ|　|　　　　　　　　　（完敗や……）
　＿　　　　 　 　 |　V　 ＼__ﾊ　　　　 ｲ_fﾈﾉ　 　 {　 |　|
　 　 ＼　　　　　 |　 ∨　 ∧ ∧　＼　　 　 　 　__〉　ｉ　}　}　　　 　,　-､
　　　　 ＼　　 　 |. 　 ∨　　＼∧ 　 ',　 U 　 ＿..ｨ　,'イ /　　　 ／{　 /　／⌒i
　　　 　 　＼　　 |　　　∨ 　 /王ト　, 　 u　(---ｸ /　 /　　 ／　 ｀7´-人_..イ＿
　　 　 　 　 ∧　｜　　　 ＼/ }ニﾊ　 ｀＞　,　ｰ一/l}　 , ＜´{　　　ﾉ　　　 -(＿__ﾉ
　　　　　　　　} 　 ￣ﾉ 　 |/　 l__,､:|　 -}　　/｀￣´_ﾉイ/　　_}＞　'⌒i　　　r┴┐
　　　　　　　 /　　 <　　　|l　 ∧∵}　　|　./　x＜´/　 {＞ ´　　　 ／　　r┴‐f


　　　　甘みの道を究めた桜花堂だからこそ、やる夫の作り上げた練り羊羹の値打ちを誤らなかった。


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390 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:26:14 ID:.Glw7IAc0

　怯えの色を顔に浮かべる桜花堂に向かって、ダディはゆっくりと話を切り出した。


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 ''''''　　　'''''' ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::::: （●）,　　､（●）|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |::::　 　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:::: 　　 ｀-=ﾆ=-'　　|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　 ｀ﾆﾆ´　 ／
　　　　　　　　　.　　　　　　　 __　_＿ ,.〈＼　　　＿ ／
　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　　　　　　　　　　　 　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　　　　　　.　　　　 { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　　　　　　　　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　　　　　　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　　　　　　　　　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　　　　　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　　　　　　　　　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


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391 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:26:36 ID:.Glw7IAc0

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　 　 　 　 !

392 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:27:15 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　寛政十二年、睦月、十日。


　　　　　　／ﾛﾛﾛﾛﾛﾛ.＼
ﾉ从　(")　 ､| 日門日|ﾉ'､| i | ___,,,..........,,,__li___,,,..........,,,__　　　li ﾚ|i i i| |.|
／ﾛﾛﾛﾛﾛﾛ.＼,,ﾐ 彳ゞ 木　／　,～ ,～～　 ,～～　～～～＼ i ／ﾛﾛﾛﾛﾛﾛ.＼
､| 日門日|`|li|　　i i_,,,-ｰ~~￣ 　　　～～　　　　～～～　 　 ＼､| 日門日|
,,ﾉi|i Lﾉl__,,,,,-ｰ''"~　　～～　　　　～～～～　～　　～～　;;;;～＼` 、 l ／ﾛﾛﾛﾛﾛﾛ.＼
-ｰ''"~　　　～～　　　　　～～　;;;;;;　　～～　;;;;;;　　～ ､| ～　　　＼　` ､| 日門日|
＿＿＿.○＿＿＿＿＿＿,○＿＿＿＿＿＿,○＿__＼＿ ＿＿,○＿__＼＿＿＿_,○＿_
＿＿＿|　|＿＿＿＿＿＿|　|＿＿＿＿＿＿|　|＿＿＿＿＿＿|　|＿＿＿＿＿＿|　|＿
｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜
｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜ ∧＿∧　｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜
｜｜｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜（　´∀｀） ｜|　|｜｜｜｜ ｜|　|｜｜｜｜｜｜|　|｜
＝＝＝＝＿_＝＝＝＝＝＝＝（　　 　）＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ .∧,,∧＝＝
　　　　 ヽ|＿_ノ)　　　　ﾓｫ （（　 人　Ｙ　　　　　　　　　　　　　,ﾊ,,ﾊ　 　 　 　ﾉﾘﾉﾘﾊﾚﾘ
　　 　 　 (‘-‘ ﾊ　　　_)_, ―‐ 、し（＿）　　　　∧,,∧　　　　 （ ﾟωﾟ )　　　　　ﾊﾟーﾟ,ﾉﾘﾊ
　　　　　/(Ｙ　(ヽ＿ /・ ヽ　　　 ￣ヽ　　　　　彡・ー・ﾐ　　　 ノ^　yヽ　　　　　ﾘ( †ﾘとﾘﾊ
　　　　　 ﾉ＿__ゝ　 ｀ ^ヽ　ﾉ.::::::__( ノヽ　　　　と　＠つ　 　　ヽ,,ﾉ==l ﾉ　　　ﾊ/　 '' ヽﾊﾘ
　　　　　　_/ヽ　 　　 　/ヽ￣￣/ヽ　　　　 　　 | 　,O　　　　　/ 　l |.,,　　　ﾘ<ﾉ､ﾉ_,i_,ゝﾊ


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393 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:27:44 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　やる夫は翠星石と二人、早朝の天神橋に佇んで、感慨深く大川を眺めていた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ‐-､　　 　 　,.-‐　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　 　., ーヽ　　　,'. ｰ-、 　 　＼
　　　　　　　　 　／ 　　 　 （　● l 　 　l　●　）　　　　＼　　　　　　翠星石、
　　　　　　　　　 | 　 　 　 　 ｀ｰ ノ　　　 ヽ.ｰ '　 　　　　　|
　　　　　　　　　 |　　　　　"⌒（_＿__人_＿__）⌒ﾞ 　 　 　 |　　　　　 長いこと待たして済まなんだなあ。
　　　　　　　　　　＼　　 　 　 　　! ,-ｰ- 、!　 　 　 　　 ／
　　　　　　　　　　　 ＼　 　　　 　 ｀ーｰ ´　 　　　 　／
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 〈


　 l　　　 /´⊆※っ /: . : . : . : . : .:／ : : : : : : : :ﾊ: : :ヽ: :＼
　 ヽ　　ｊ 　　 ` 　 /: . : . : . : . :／: ; : ‐''´: : : :/　l : : : }: : : ヽ
￣丁ヽf　 　　　 _/_:_:_:_:_:_:;;..≠､ﾆ -‐ ﾌ´: :／　 / : . : l: . : . ヽ
三/:.:.:.{　　､h,. 　l:.:.: : : : : : :/ _ ..｀｀' ´‐＜ ,, _ ../::ｲ:.:../: . : . : .l
;;/:.:.:.:.:.} ⊂,. ､⊃{:.i:.: : : : : ´l ｀了''ゝ..､ｰ ､ _／ノ/: /:.:.:.: }: . : . !
: :.:.:.:.:.（　　 J 　 |:.l:.: : : : :l: |## 　{ ノ:;;ｊﾊ ´.#　 /:Xl l:.:.:.:.l : l. .:l
:.:.:.:.:.:.:/　　　　　ヽl: : : : : |!:ｌ## 　ヾ'ソ ###.　ノ _｀ﾍ:.:.:.:./:.:.:l:./
:.:.:.:.:.:.ヽ　　「!　 　ﾄヽ: : : : ｌヽ.#########.　　　 が;､∨:.:.:.;ｊﾉ　　　　　 ううん、ちっとも。
:.:.:.:.:.:.ﾊ ⊂,.､⊇ ｛　 ＼: : '､　########　 　 ､ じ'/:/:.:.:.∧
:.:.:.:.:/:.:ヽ　lJ　　 |:　:　:.丶､＼ #####. 　 　 　///ノ:.:／
:.:.:.:./:.:.:.:ム　　　　ヽ:　:　:　.　 ｀.##.　 ヽ､ _　　　人／
:.:./-‐≦ヽヽ　　r､　}::　:　:　:　.　　　　　　　 ..ィ:::::::}
´〃　　　　 {　c X'' ヽ:　:　ヽ:.:__:_ .　　　, イ:.:.※:.:.:}
　ll　　 　 　 ヽ　ヾゝ　ト､　/:::::.:.:.:￣丁::l　ヽ: : : : ﾉ
　l!　　　　　　{　　　 ｀ヽ Yハ:::::.:.:.:.:.:.l: : |／{: .　〈
　|　　　　　　 ヽ　　fｊ　 }Z´斤＼:.:._:.:l: : .|　 ヽn, |
　l　　　　　　　 〉⊂, え ヽ〃|ﾊ　ヾﾍ）-､:.l　　{f!〈


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　翠星石は微笑んで首を振る。


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394 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:28:04 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　二世を契って三年、今日、これから祝言を上げる二人である。


　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　＼
.　　　　　　　　　 　 　 ／　 　 　 　 　 ＼　　　　 　 -―- ､
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 　 　 ＼　　 ／　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 |　 .〈　　　　　　　 ゝ
　　　　　　　　 　 　 ＼　　 　 　 　 　 　 ／　　 i＼　　 　 ／Ⅴ
　　　　　　　　　　　　 /￣￣￣￣￣￣＼　　　|: : ＞―く : : : :.
　　　　　　　　　　 ハ￣￣￣￣￣￣￣￣/ヽ　l: : : : : :|: : : : : : :.
　　　　 　 　 　 　 |　ヽ　　　　　　　　　 　 　 ‘ |: : : : : :|: : : : : : :‘，
　　　　　　　 　 　 |　　i　　　　　|i　　　　 .|　　 |: : : : :.:.|、: : : : : : : :.
　　　　　　　　　　 lヽ　|　　　 　 ||　　　　 |　　 | : : : : : |‘，: : : : : : :‘，
.　　　　 　 　 　 　 |　　|　　　 　 !|　 　 　 |　　 | : : : : : |　 ､: : : : : : : :ヽ
.　　　　　　　 　 　 |　　'.　　 　 　 　 　 　 |　　,': : : : : : |辷,ヽ: : : : : : ＼＼
　　　 　 　 　 　 　 |　　ﾊ　　　　 |　 　 　 |　 / : : : : : : |ニﾆﾆ､: : : : : : : ＼＼
　　　　　　 　 　 　 |　 ﾊ `　　 　 ｙ　　 　 ﾊ./: : : : /: :.:.|ﾆﾆﾊ圦: : : : : : : : : ヽ＼


　　　　　　　　　　やる夫は三十二歳、翠星石は二十七歳になっていた。


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395 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:28:26 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　練り羊羹の技法を独占せず、広く伝えたことが、井川屋の名を大坂中に広めた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,rrテ≡＝
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,r=ヽ、　　　　　　　　　　　　r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、.（〃彡三ミ
　　　　　　　.　　　　 ,r=ヽ、　　　　　 j｡ ｡ﾞLﾞi　　　　 rﾆ二`ヽ.　　　Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）./"~´　　　i
　　　　　　　.　　　　j｡ ｡ﾞLﾞi......r-=、　l≦ ﾉ6)＿　　　l_,.､ヾ;r､ﾞt　　 lｦ '・=　 ）;;;;;;;;{ f:､　‐-:、　(
　　　　　　　.r-=、　l≦ ﾉ6)＿｀ﾞゝヽ、`ｰ!　ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ　tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ'　　 ｱ::::::/.ﾉﾟｦ　''・=
　　　　　　　.｀ﾞゝヽ、`.rfﾆ､ヽ.　 にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ　 _,,ﾉ　,　　ﾞtﾌ　　ヾ;;;/ .l (-､ヽ'"　　ﾞ'
　　　　　　　.　にｰ `...l｡ ｡ f9i ,.、　｀~iヽ､. ｀~`''"´　ﾞt　（,,￣,　frﾉ　　 ゝ-‐―イーlｨｰ-､
　　　　　　　.,.、　｀~i　t≦_ﾉゝ､..ヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"..ﾞ,,....,,,,__.　,/　　　/　　　　 　 t_ﾞﾞ 　 _,,.. :: "
　　　　　　　.ゝヽ、__l::::.｀フﾞ´,,:: -- ::､ ::::,->ヽi''"´ﾞ,r''"''''''ヽ:::｀ヽﾞ‐ﾃ-/　i　　　　　　｀ﾕﾞ"
　　　　　　　.W..,,」:::::::ﾞ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ.ミ__ｨ'{-...f´,,..、　r"::::::::::i.　,/｀ヽl : :` : : ,.r‐(´::::〉　　 ,.ｨ
　　　　　　　.　￣r＝./,,,　Y.. -‐ ヾ::::::::l　／ f´.ノﾞ f･=　 7:::::::::::lﾞ''"　 ,:ｲ`i : : ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::
　　　　　　　.　　 lﾐ､.ﾞﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ`　 ﾞ'"):::l.ﾞil　　l..ヽ''　　　　ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ　 ,:rﾆテ三ミゝ、::::::ゝ!r7/ｰ一'
　　　　　　　.　　 ! 　 l=,,;;:. l=､　 ..::" ,)ヽ、.　 l　j⌒　　　 ﾄ'"fノ　,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ、ﾞ/://:::::::::::::
　　　　　　　　　 l. ／`ゝ-''^ヽ''"　 ,/: : : :＼..ﾞl...ヽ、: : : '" ノ^i,　 ﾞゞ''"´　　 ﾞifrﾐソﾍ, ://:::::::::::::::
　　　　　　　　 　 /rf´ i′　 ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ）　,／　　｀ヽ:,i ,,.,...、　 ヾミく::::::l.ﾞ/::::::::::::::::::
　　　　　　　. r'": ﾞ'ﾞ　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/　　 '''"´　　,,.: - 　lｦ ｪ｡､　　 〉:,r-､::ﾘ.ﾞ::::::::::::::::::::
　　　　　　　. ｀￣´...　!　　 /: :ﾉ l: : : : : : : ノ,　　　　　　,:'"　　　/ ,, 、　　 '"fっ)ﾉ::l..'::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　 　 /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /　　　　　/ 　 　 　 `i- ､ヽ　　,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
　　　　　　　. _,,..::-,テ　　 /`7: :（: : : : : //'´ミ)ゝ^)　〃　　　　 　i､ヲﾞi　.:" ,,.　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
　　　　　　　｀_,:ｨ''"　 _,r''"　f: : :ト---ヲ ﾄ､つノ,ノ　fﾉ　　　　 　 ﾉﾞi　　,,.:ｨ'"　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　-‐-‐'''フ"　　,.ﾉ,:::::」､,:r'"　 i _,,.:イ　　/　 　 　 ,r''";;;;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／　　 　,ヽ　 ﾞ:､ /＼、 　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　´　 ,ﾍr:､-､=---／　　　 ,:ｲ　ヽ　　＼　 ｀ヽ〃_;;;;;;;;;;;;f´' 　 　 ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　ｰフ´ > ヽ`ｰ､／　　　 ／く _,,..ヽ　　　ヽ ,／　 ｀ﾞ''ーハ.　　 　 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　／ ／　,,ゝヽ,　）　 ,.／　ｨ'"　　 ﾞt　　　 `'　　　　 ／^t;＼　　,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;


　あれから桜花堂をはじめとして、名だたる大店がこぞって練り羊羹の売り出しにかかったのだ。


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396 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:28:59 ID:.Glw7IAc0

　　　その結果、大坂のみならず京の菓子店からも糸寒天の注文が殺到。


　　　┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
　　　┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
　　　┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||::::::::::::::::::::::::: ||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
　　　┼┤│　 ││;;;||-|-|-|-|-|-|-|-|-||─────||-|-|-|-|-|-|-|-|-|││
　　　┳┥│　 ││;;［田田田田］［田田田田］［田田田田］［田田田田］ |..│
　　　┻┥└─┘,,|／=======================================;;;|..│
　　　　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
　　　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
　　　￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
　　　==@==@==@==@==@==ｒ─ー─‐-──ー┐@==@==@==@==@==@==
　　　─────────‐| 　井　　川　　屋.│─────────
　　　:: : :|　|;;| :::: :::: :＿＿＿＿｀ー─-─-‐ー─┘＿＿＿＿:::::::::::::: :|　|;;| :
　　　　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
　　　　　|　|;;|　　　::||三三三|＿＿|＿_,,ﾉ＿__,ﾉ＿__,,|三三三||:　　　　|　|;;|
　　　　　|　|;;|　　　::||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　　　　|　|;;|　　　::||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　　　　|　|;;|::::　／||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三 ／:: :::::::::::::|　|;;|:::::
　　　|￣￣|￣￣|.　||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
　　　|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
　　　|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
　　　|＿＿|＿＿|／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||＿|＿＿|＿＿|＿


　この三年で、井川屋は押しも押されぬ大店へと生まれ変わったのであった。


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397 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:29:22 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 ／ 　.,r'´｀ 、　　 　, ´｀ヽ、　＼
　　　　／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　 ／. 　　　（　● ）　ﾉヽ　　（ ●　） 　 　＼
　　|　　　　 　 ´"''"　　　, 　 　 "''"´　　 　 　 l　　　　　ほら、これ。
　 ..|.　　　　　"⌒（　　　 j　　　 ）⌒ﾞ　　 　 　 |
　　|.　　　　　　　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 　 　 l
.　　＼.　　　　　 　 　 ｀ ⌒ ´　　 　 　 　 　 ／
　　　　＼　　　 　　　　　　　　　　　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼　　　　　　　　　　　 ∨∧
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　 ∨∧
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼.　　　 　 　 　 　 ∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /⌒,二.´￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ￣∧ r'´￣￣｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,. -ﾑ‐=/ _｣_!　　　/´￣｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/ ／ | ｛　〃x=ミ -- ､　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {　 ∨　,厶ｨ't≠=ミX=ミ　 Y
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '. 　 ヽ. |　j川ﾄﾐXミX ＿_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ.　　ﾞ|　　,ﾊヾﾐXﾐX. Y´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼__廴_/　乂　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼＿＿/｀￣´'.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨∧


　　　　　　　　　やる夫が懐から取り出したものを翠星石に見せる。


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398 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:29:40 ID:.Glw7IAc0

.　　 ﾚ'´　　/　　　　　,ｲ .ｌ ｌ　　 ヽ　　 ヽ: : :ヽ　　ﾚ´
　　/　　　/　　　　　/ |　ｌ ｉ　　　 }　　　 ヽ　 }レ∧
　 /　.ｉ　 ｉ　　　　／　/ ｉ ハ_　　　ｉ　　　　',　ｿｲ　 ｌ
　 | 　ｉ.　 ｉ　_＿/_　 /　/＿＿ヽ__ ｉ.　　　　 ト-|　　ｌ
　 | 　ｉ　　ｉ" ／､_／.#/　　__　　＼ヽ　　　　ｉ　}.　　ｌ
　 ヽ　ｉ　　ＫＴ7ﾊヽ..##　　　Ｔ７ﾊ;フト 　　 /　:}.　　 ｌ
　　　＼.､い. ﾋ;ゾ..##　　　　 ﾋﾆｿ./.ｉ　　 ｲ　 .:}　　　ｌ
　　　　|ヽ＼ヽ####. ;　　　　 .:::::./ノｲ／ .} L .}　　　 ｌ　　　　　　　まあ、梅。
　　　　ｌｉ　　｀ｉ＼.#　　ｰ‐'　　　　／イ ｉ　.} ｢ .{　　　　ｌ
　　　 ∧ｉ ﾚ_ |　ｉ. `:　.､ _ _,　　'´ ﾄ､. ｉ ｉ　{ｉ　 } ｉ.　　　 ｌ
　　　/ .{ｉ ｖ` {　ｉ　 ｉ__/　}　　.／　　＼ {ｉ　　}　ｉ.　　　 ｌ
.　　/　 {　　　レ '´　, - ､.ｖ"ｒ‐- ､　　 .{{　　Ｌ　ｉ.　　　 ｌ
　 /　　}ｉ　　　}　ｒ '´　　　>く　　　｀ ヽ.{　　 ｲ⊥.ｉ 　　　 ｌ
. /　　 }ｉ　　　.}　|　　 , イＬ|| ＼　　　.{ト じｖＫ　 ヽ　　　 ｌ
/　　　}ｉ　ｉ _　|.　レ'´ .>|（ .|| ）　｀ ‐ｖ'}　 " }ｒ'::::::　 ｉ.　　　 ｌ
.　　　 }トﾍ`　.|　　　 〈 | |>|Ｋ　　　 .}ｉ　　　}ﾊ::::::::　 ｉ　　　　ｌ


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399 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:30:09 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _..．-――― - ､
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／ ─‐　　 ── 　 　 　 ＼
　　　　　　　　 　 　 　 /　（● ）　　（● ）　　　　　　ヽ　　　　　　　　　 せや。
　　　　　　　　　　　　////（　　人　　　）////　　　　 ﾍ
　　　　　　　　　 　 　i　　 　Т´　 ｀Т´　　　　　　　　　’　　　　　　　　今朝、高津社でもろてきた。
　　　　　　　　　　 　 !　　 　弋Т￣ﾉ　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　＼　　　　￣ ´　 　 　 　 　 　 　 , ′　　　　　　　覚えてるか？
　　　　　　　　　　　　　 >　　 　　　　　　　　　　 　 ／
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　 - 一…　 ¨￣＼


　　　　　　　 　　／. .,.ｨ.:.::/　　　 .:.:::::::.:.　 .l:! ､ .:.:.:::::::::.`､下　.!
　 　 　 　 　 　 /.:/ .::l:!.:./　　　.:.:.:.:::::::〃.:/::!::::.:.､ .:.:.:::::::.`､　/
　　 　 　 　 　./.:/ .::::l:|.:.:.　　.:.:.:.:::::::::〃.:/.:::ﾄ､::::.:.ヽ .:.:.::::::::Vヽ
　 　 　　　　 /.:/ .:.:::::l:|.:.:.　.:.:.:::::::::／/.:/.::::ハﾄ､.:.:::::', .:.:.:::::::!.::.',
　　　 　 　 ./.:/ .:.:.::::::i:|.:.:'"´￣`>'.#/.:/.:::/ __　 ヽ .:.l　.:.:.:::::!::::::',
　　　　　　 l:::ﾊ .:.:.:::::::ﾘ.:.:.:.:::::／.##..::/.:::/ ´　￣` V:l　.:.::::::j:::::::::
　　　　　　 |::|　',.:.:.:::::.ヽ｀,≧三ﾐ、.#/:／´ ¨`___　　 ﾘ .:.:.:::/l.:::::::::
　　　　　　 |::|　 ﾄ､.:.::::::::.Y ´¨¨¨`.#　 　　,.ｨﾇ三ﾐx　/ .:.::/ ﾘ::::::::::
　　　　　　 ヽ!　{i　＼.:.::Λ#####.　　　　　´"¨¨` /.:.::／　ﾘ:::::::::::
　　　　　　 　 　{i _」 _ﾊ .::ゝ###. `　　　 　　 ''''　/;:イ　　 ﾘ.::::::::::::　　　　 もちろん。
　　　　　　　　　{i 下 j} 1.:::ﾄ､#.　 ` -ｰ 　　　　 ﾉﾉ_」 _　 ﾘ.:::::::::i::::
　　　　　　　　　{i　　 j}. ＼.:.:::＞.､　　　 　 　 ノﾉ　下　,.ｲi::::::::::|::::
　　　　　　　　　{i　　 j}　 ,．'´　　 ｀`ﾆﾆﾆ"´ﾉノ　　　,.ｲ:::i:l::::::::::|::::
　　　 　 　 　 　 {i　　jレ' -米‐ 「:に>介フノ_」_ 　,..ｲ.:.:l::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　 　 　＼〈　　　　ノﾉl::,.ｨｲ.:／　　下イ　.i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　｀`~~´ ｀`フ.:::／　,．'"´　　　 .i.::::|::::l:l::::::::::|::::
　　　　　　　　　　　　　　　 　/::／ ,．'´　,r‐‐y‐─ ｭ､::!::::l:l::::::::::!::::


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400 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:30:33 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　_　　　　 .| （● ) （⌒ ）　.|　　　　　　 おーい！
　　　 |　!　　　　|　（__人___）　 　|
　 　 ｜ !　　　　|　 ｀ ⌒ ´　 　 .|　　　　　　　二人とも、何を悠長に構えてんのや！
　　　 |　!　　 ,.-,|　　　　　 　 　 |
　　._,ﾉ ┴、/ ,/ .|　　　　　　　 /　　　　　　　早よ、着替えをせんかい！
　　.r　`二ヽ ） i　ヽ　 　 　 　 /
　　.|　 ー、〉 /　　 〉　 　 　 <　　　　　　　　 皆、待ってんのやで！
　　.|　　r_,j　j　/￣　　 ''￣　 ⌒ヽ
　　.| 　 ）　ﾉ／ {　　　　　　　ｨ,　 }
　 ﾉ　　　,/　　 |　　　　 　 　 |{　 |


　　　　　　　　見ると、天神橋の袂にやらない夫が迎えに来ていた。


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401 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:30:54 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　叱られてしもうた。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 （∧） 　（∧） 　＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　　 さあ、ほな、そろそろ戻ろか。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


　　　 ,.　　　　　　　rｸ　　／:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::ヽ
　 　 ＼　　 ＼　　 jｊ　　/::::::::::::::::/／:::::::::::::／:::::/::::/:::::|:::::::::::゛
　　　　 ＼｀　､ヽ　{{ 　 .′:::::::::::/:::::::::::::::／:::::／::／:::::::′::::::::::ﾊ
　　　　　　＼/:::::V{{　｜:::::::::::::/―--／ ::::／::イ:::/::::/::::::::::::::::::｜
　　　　　　 ./:::::::∧{　｜::::::::::::|子＝ﾐ　ヽ.#／ /:::/::::ｲ::::::::::::::::::::｜
　　　　　　/:::::／::::}}　ｉ|::::::::::::::|├び ﾊ ｀.#　／／／ ﾄ､:::::::::|::|://
　　　 　 , ':::::::::::::::::::}}.　＼:::::::::|｀ ー ′.#　 ／ ｧえﾒ､｀::::::::: |::|'/　　　　　せやな。
　　　　　:::::::::::::::::::::: {{ 　 rｆ＼:::ヽ.#####　　､　lじﾝ〃ﾍ/:::::::|::|′
　　 　 　 :::::::::::::::::::/バ　 {{　 ＼::.###..　　　 　 ::::::::/::/:::::::/::/
　　　 　 :／^ヽゝぞ!: {{　 }} |　ﾄ､ 〉、　 ｀ ｰ-　　　-=ﾆ::::イ//
　　　　..ﾚ'　　　｀｝　　 {{　 }}ト⌒＼ ＞　＿_ ,. ＜}} 　 }}:／
　　　　　　　　　　　　　{{　 }}＿,ﾆヽ 、__　/ l ﾄ、{{　　 }}　ヾ!
　　　　　　　　 ./:　:ヽ∠{{　 }}ﾊ: : : :｀.､　∨´　 {{ 　 　}}. : . '.ﾑ_


.

402 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:31:34 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　橋を渡りながら翠星石がやる夫に問う。


　　　　　　　./: /: : : : : : : : : : : :/: : : : :}:.|、: : : : : : : : : :.
　　　　　　 /: /: : : : /.:.: .:.:/: :./ : : : }: ﾊ:! ヽ: : : : : : : : : }
　　　　　　 : :ﾊ: : : :.:ｌ: : : :/i: :ｲ.:.: :.:./:/-||―|ﾊ: : : : }.:.: :.|
　　　　　　|: :l:.{.:. : :.:|: : : '-|/ | : : /}:,'　_ﾘ　 l{ |: : : /: :}.:.|
　　　　　　|: :l:.∨: : ﾊ: :.:|#.{ __!: :# .ﾘ　,ｘ=＝ミﾄ: :./: :/:.:.|
　　　　　 人:廴:∨:.|:.l: : ﾚ=＝ミ' .# 　 　 　 　 !:./:.:./: : :|　　　　　　　大番頭はん、
　　　　 /　 |＼: : Ⅵ |:{:.(　　　　 #.`＿, 　ﾊﾊ 乂:.:/|: : :.l
　　　 ./ 　 .|: : |`: 从乂:ハ####.　∨　 }　　 //: /八: : {　　　　　　　 また泣きはるやろか？
　　　 {　 　 !.:.:.|: :|.: : :./: :込##　 　 ｀¨´　／ .{: :{ {: : >; :ヽ
　　　 l　 　 |: : |: :|.: :./: :./ : : ｀¨¨＞ｰ＜　　 人: `:彡' _r' >‐.､
　　　 |　 　 !.:.:.|: :|: /: : /:.＿ ムイ¨＼＿_.／　　　　 _)/´////ヽ
　　 .八　　 |: : |: :|:.{ ,r‐( {{ )　　 ／／介＼＼　　　( //////// }
　 　 　 ヽ　.!: : !: :!:.///( {{ ).　 〈ii〈.／| |{　 ＼ヽ ( `/////////.ﾊ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　　─　 　 ─＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　⌒　　 ⌒　 ＼　　　　　　 もう朝から大泣きしてはる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 　　 　 ,ﾉ(､_, )ヽ　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　　 ＼　　 　　 ﾄｪｪｪｲ　 　／　　　　　　 大変や。
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　_　ヽニｿ,　 く


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫が笑いながら応える。


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403 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:31:53 ID:.Glw7IAc0

　　　橋の袂まで来た時、やる夫は天神橋を振り返る。


　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　‐　　 ─ 　　　　＼
　　　　　　　　　　 　（　　（ ●）　　　　　＼
　　　　　　　　　　　（人__）　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　 　｀⌒´　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　｀ｌ　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　 ＼

.

405 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:32:20 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ／ ＼　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　／ 　 ●　 　 ● ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ⊂⊃　(_,､_,)　⊂|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, へ　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　 ，　　　　　　　 ト 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`'　ヽ　　　　　　/χ )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　λ＼　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し＼乂　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　廴＿ つ


　寒天の荷を背負った少年が、必死の形相で橋を渡って行くのが見えた気がした。


.

406 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:32:48 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ‐-､　　 　 　,.-‐　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　., ーヽ　　　,'. ｰ-、 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　 　／ 　　 　（ （℃) l 　 　l i℃） ）　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 　 　 ｀ｰ ノ　　　 ヽ.ｰ '　 　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　"⌒（_＿__人_＿__）⌒ﾞ 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　.　　　 ＼　　 　 　 　　 ´￣￣｀　　　　　 　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 　 　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 〈


　　　　　　　　やる夫は立ち止まり、その幻影にそっと頷いてみせるのだった。


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407 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:33:08 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　：
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　 　 　 　 !

408 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:33:39 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　晴れ渡った空のもと、井川屋主人ダディは、大番頭いく夫と、

　正式に養子に迎えたやる夫とに抱えられる様にして、天満宮に念願の寄進に出向いた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |（●）,　　　､（●）､.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,.....イ.ヽ｀ー ｀ﾆ´ ―ノﾞ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣￣￣｀丶、
　　　　　　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 ⌒　 　 　 ⌒　＼
　　　　　　 　 |::::::::ゝ　＼　　／　|　　　 　 　 　 　 　 　 /　　 （ ⌒ ） 　 （ ⌒ ）
　　　　　　　　|::::::（ （ ●）　（●）|　　　　　　　　　　　　|　: : : :　（　　人　　） : : : : l
　　　　　　 　（@　::::⌒ﾉ(､_, )ヽ⌒)　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　｀¨´　 ｀¨´　　 　 |
　　　　　　　 　|　　　　｀-=ﾆ=-　 |　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　 　 /
　　　　　　　　 ＼ 　　 　`ー'´ ／　　　　　　　　　　　　 　 ＞-ミ＿___　　 __,,. 　 '′
　　　　　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.　　　　　　　　　　　　　///∨/＼: : ＼∧ ∧＼
　　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　　　　　 　 　 　 　 ./////∨/∧: : / : ∨∧∧
　　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　　　　　　　　　 　 | /////∨/∧/ : : /∨∧∧


.

409 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:34:08 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　井川屋主従の後を、花嫁行列が続く。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. -ｧ――‐-- ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ノ*　, - '^⌒"´｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ノ　 r'´　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ﾉ * ﾉ　 　 ／　　　,　　､　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 　 /　　 l　　l　　//　 ,　 ／,　　jl i 　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ､_ l　　 l l　l/＿/_,ｨ//　__ﾑ! l l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣|｀lヽj * 〈 l ,lｨ'_.ノ'´ﾉ ｨ'　,ｨﾘ　l,'　l　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,l　l　l　　{ 'l下､f'苡ﾊ,./ ｲ芯:Yﾘ lj　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l　 '､　 }､' ﾄ｡ヾｚｸ #.　zヲ'ｲ /ﾘリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　l　　ヽ* '､ヽ',####..　　 ""/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　l　　　_rl｀' : ､_.#　 ー _ ／,*l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　l　　 /＼＼　 `i;┬―　　 |　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　,'　 ,.:く::::::::`:､＼　〉lﾞ:`:､　　|　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　,' ／:.:.:.:＼:.:.:.:.`:､ｿ/:.:.:|:.:＼ .|　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　,' /.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:У:.:./:.:.:.:.:ヽ|　 |
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　 /　　／ 　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ　　　　　　　　　　　　／　-‐……‐ミ.: : : : : : : : :＼
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　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　 ｌ:::/　!::::/!:::::!:::::::!::!:l　　　　　　　　　　　/: /´: : : : : : : : : : : : :.:∧: : : ﾊ: : :.∧
　ｌ　/l/l .::::::/ ＿＿｀ヽ、　 　 ｌ/ 　 l::/ l:::/l:::::::!::!::!　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.ﾊ: : : :.|二7ハ
　 V く ｌ .:::/　￣"'ヾﾐ　ヽ 　 　 　 _ｊ/　-―ｌ　/.∧l　　 　 　 　 　 　 ′: : :.| : : : : : ﾄ.、 : : : : : : : |: : :.:|.∨＼!|
　　∨ｰ!::/　　　　　 　　 　 　 ／ -=ﾐ　.／l/.:/　　　　　　　　 　 　 |: : : :.:.|＼: :∧.|　＼: ﾄ、: : : |: : :.:|__〉ヽ } }
　　j/iヽl/ 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 /./　j/　　　　 　 　 　 　 .／|: : : :斗-‐＼ ﾄヽ.　　 ,ィ云ﾐ,}: : :.:| 、: :| | |
.　　　ｌ::∧　 　 　 　 　 　 　 {　　　　./.:/　　　　　　 　 　 　 　 く　 | : : : : |!　,ｨ示、　＼〃ｉr'ﾞ::ﾊ|: : :.:| /:. :|_|_|
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　 ／　　　 /.:/　　　　　　　　　 　 　 　 ∨{: : : : 从〃ir'ﾞ,ﾊ　　　　ゞｰ'' |: : : |': : : : :.|
／i/　 ! ::::::ヽ 　 　 　 　 　 　 　 ／ j/　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / /∨: : : : ﾍ　ゞｰ'　,　　　　 　 |: : : |: : : : : ;
.三l　:: ｌ　:::::::.ヽ、 　` __‐-　 .／　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /'| |∨: : : :.∧　　 　 、 ｧ　　 /}: : :,′: : :./
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　　　 ／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈_/　|_i! ∨ : : : 个　　　 　 　 ／/: : / . -‐ｧ′
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼: : : : : : : : :.r=T　 ,/ ,　'´ )） /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　: : ＿／　{ﾉ.／´　　 ｏ　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,　´　 ′　 У　〃 　 , ´　 ｀ヽ


　　　　　　　　　　　　　　　白無垢姿の翠星石の手を取るのは、鈴三屋夫妻。


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410 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:34:34 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　更にはやらない夫夫妻、原村から駆けつけた高和。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,..　-=-　。、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 . :＜:.:.:.:.,,...- ､:.:.:.｀:. 、
　　　　　　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／..:.:.:.:ヽ／:.:.:.:.ハヽ:.:.:.:.:ヽ__
　　　　　　　／　　 ヽ_　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／/:.:.:.:.:.:.:.:Ｙ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:}ヽ ＼
　　　　　　　|　　　 （⌒ ）（⌒）　　　　　　　　　　　　　 　 　 /.:.:.:.:.:./.:.>ヽγヽ.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:,ノ:.:.}　 ﾍ
　　　　　　.　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:/:.:./:.:/シ,Ｙ彡∨l:. : :l:.:. l:.:l:.:.:./ヽ／
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　 .{.:.:/:.:. {:.: l. 　 　 　 l.」:.:.:..l:.:.:.l:.:l´/:.:.:} ヽ
　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 乂{:.:{:.:ゝｴﾐ. 　 　 ´}ﾉ工ノ≧}:.ﾉ/.: :/i.　}
　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝヽ.|x行ミ　 　 　 衍ミx}:. : ﾄ、/..lレ´
　　　　　　　　 ヽ 　　　　　ノ　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.:}.弋zﾘ　　　　 _ﾋzﾉ.!:..: :lﾉ:.:.:.:|
　　　　　　_,,,,ノﾍﾍ　　　 // ＼、　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ./.:/ﾍ　　 丶　 　 　 　 l:.:..:.l:.:.:.:.:.l!
　　_,,..r''''": : :ﾍ::ﾍﾍ.　 //: : / ￣`''ｰ-､　　　　　 　 　 　 　 　 .{/|:.:.:.ヽ 　 ｀ 　´　　 ./.:.:.:./::.:.:.:.:|!
　 /: : : : : : : : :ﾍ::ﾍﾍ//: : /: : : : : : : : : ヽ　　　　　　　　　　　　　ヽ/:. l＞ ､__ 　 ＜/／ノ}:.:.:.:.:. |l
　ﾉ. : : : : : : : : : ﾍ::ﾍ/: : / : : : : : : : : : : : }　　　　 　 　 　 　 　 　 /:.:. } ///}:.　　::／／/:.:.:.:.:.:...|.':,
　{ : : : : : : : : : : : ﾍ/: : /: : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　　 , -≦/:.:.:./ { { {:　　／／／}:.:.:.:.:. : :ﾄ､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 :.: :. .:./:.:.:./ . ｌ ｌ ｌ: ／／／　/:.:.:.:.:.:.:./　 ヾ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ゞ;! ｰ- ..,,_　　　 ,,.-‐''''　ﾐ;ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 !ﾍl;| ,.=≡=､｀　,´ｨ,.=≡=､｢ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!(,ﾍ!　 　 '"　　|:::.`　　　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `| 　　 　 ^'='^　　　　ﾑ'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .ﾄ 　 ヽ二二二フ　.,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i| ＼　　 ===　　 ,ｲ.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲi|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `ｰ─''ﾞ


　　　　　　　　　　　　　奉公人たちも行列に加わり、華やかなことこの上ない。


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411 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:35:00 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　道行く人々が、何ごとかと足を止める。


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 , -―､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　 　 　＿＿|_
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （　 ｆ⌒}　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　 , .:::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 　 　 　 　 l　　r ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |／.:::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　 |　_｣__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::::::::::
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r '´　　|　　　　　　　　　　　　　　 　 , - ､r―‐- ､　 ;::::::::/l:::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 -―‐-　､|　　　｜　　　　　　　　　　　　　 ／.:::::::::､ｖi::::::::::.､｀{:::/ﾘ　∨ヽ:::::::ト､:
　　　　　 　 ／.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　 ト､ __ 　 　 　 　 　 　 　 /.::::::;:ｲ:/　 l:::::::::::.ヽVl //////}::::::|　}
　　　　　　/.:.:.:{.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.::|　 ／｀　 ＼￣｀ ＜￣ヽ　　　/イ::/‐{/　 ‐ﾍﾄ:::::::::::! | ,. -‐┐ |::::::lノ::
　　　　　 ,:.:.:.;ｨﾍ:.:.:.ト､--:.:.:| .〈:.、.. ..　、＼　 　 ＼:|　　 　 /:/― L/ ―- ＼ﾄ､}:{〈　 　 |　|::::::l:::::
　　 　 　 {.:´:lﾘ　'; .:| rｧく ､:.|/:ﾍ:.＼:::::..＼:.＼:..:..:..:.i|　 　 ｲ::/-　'´ ﾞｰ-　-‐' |:::::::ヽ＼.　|　|::::::l:::::
　　　　　 l/ｌ:.代:）ヽ! ｀ｰ'　ﾄ{:::::/＼|｀ ｰ＿|::::::ﾄ､::::}:|ｌ　　　ﾚ{　 　 ,､　　 　 　 |:::::::::::＞r┴､!:::::::::::
　　 　 　 　 V:. 　 ＿　 　 l:.ﾘl::|‐-r┐'´　 lｧ::::|　V.::!:!.　 　 |:＼　ｌ__〉　　　　 ｣::::::;､:::} |:::::{/〉::::::::::
　 　 　 　 　 }.:ヽ　ヽ ）　ノ./ |L..ノr‐〒―'|:::::::l_ノ::::l::＼　　ﾘ|::/＞――ｧ　´ ﾍ::/＞、|::::::/ヽ:::::::::
　＿_ 　 ､__ノ:.}:}:.:|＞r '/:ノ.:.:l::ﾄ､　ｌ　ｌ　　 |::::::::l::::／￣ヽ＞_｣ノﾍ　ｊr‐'´ 〉、　／.:／　|::::,′ }ﾍ:::::
./ （_,ﾍ　　 7ノ/＞ｧ'7 (:(　 ノ.:::::::トl__ｊ_ . イ:::::::::} l　　　　）/　　　∨　　　　`/.::::/　　 |:::′　l　l::::
{　 　 ﾉ　 ／ｆ(ｲ　,' /　ﾉﾉ（:::::::::;:ｲ,.ｨ::｢　lノ::::::／｜　　 ノr{,　　　 '　　　 　 /.::::/, 　 　l::{　　,′l::::
.ヽ　 {　 （rﾍrｧ!　{,ﾉ ,（:{ 　 ＞:ﾉ| { {:::l　〈::::::く　r┴‐-〔 ／　 　 /　　 　 　 {::::::l/ 　 　.|::l　 ,′ ｌ::::
　l　 ｣┐　 /　　 |／　｀　（:＜　l lｲ::::!　|＞:ノ ｣_　　　/　　 　 ,′　　　 　 l::::::l　　　　|:::!　! 　 |::::
.<⌒´ノ!／{　　　|　　　　/ ￣　 〉 !::::l　|￣　｢　 ｀ ｰ |　　　　　 　 　 　 　 ｌ:::::l　　　　l::::l｜ 　 l ::
　l￣　 ト､ l　 　 | 　 　 /　　　 ,′l:::::l.｜　 ｜　　　｜　　　 l　　　　 　 ／.::::{　　　　|::::ｌ ﾄ､　｜:
　|　　 ｜ヽl　　r'　　　/　　 　 { 　 ';::::',.!　　 |　　　　|　　 　 l　　　　 ／.:::::／!　　 　 |::::l｜ ＼ｌ:::
　|　　　　　ｌ　　}　 　 ,′　　　 l　　 ';::::',　　｜ 　 　 |　　 　 l　　 　 〈:::::／　｜　　　 |::::| |　　 |:::


　　　　　　　　　花嫁行列と知れると、あちこちから祝福の声がかかった。


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412 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:35:25 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　天満宮は新たな社殿が完成していた。


　　　　　　　　　Π　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Π
　　　　　　　　　旦三l二二l二二l二二l¨／＾＼¨l二二l二二l二二l三旦
　　　　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 　 ／／'＾＼＼　　 　 　 　 　 　 　 ∧
　　　　　　　 /　　　　　　 　 　 　 ／／｀¨Ｏ¨´＼＼　　　　 　 　 　 　 ∧
　　　　　　　/　　　　　 　 　 　 ／／ 〔王l王l王〕 ＼＼　　　　　　 　 　 ∧
　　　　　　 /　　　　　　　 　 ＜／＝＝＝＝＝＝＝＼＞.　　　　　 　 　 ∧
　　　　　　/　　　　,′　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀,　　　∧
　　　　　/　 　 ／　　 　 　 　 　 　 γ´三三三ヽ　　　　　　　　　　　＼ 　 ∧
　　　　 /　 　 乂ゞ ､　　　　　　　　/ﾞ/　　◎ 　 ヾヽ　　　　　　 　 , 彡丿　　∧
　　　 ≪亞亞亞｀＜三三三三三彡｀ ‐-（(t)）-‐ ´乂三三三三三彡´亞亞亞≫
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l〈〉lｌ=(Ｙ)=ｌl〈〉l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l〈〉lｌ=(Ｙ)=ｌl〈〉l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l〈〉lｌ=(Ｙ)=ｌl〈〉l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l＝lｌ=(Ｙ)=ｌl＝l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l＝ll=GQ=ll＝l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　|　|　　　　　　　　|　|l＝ll=.从.=ll＝l|　|　　　　　　　　|　|
　　　　.ｏ.　　　..|　|　　　　　　　　|　|l＝ll＝ll＝ll＝l|　|　　　　　　　　|　|　　　ｏ
　　　　 ||＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌl＝l┌―――‐┐ｆ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝ｌｌ＝||
　　　　 ||＿||＿||＿||＿||＿||＿||＿||l＿.奉納＿.!.l|＿||＿||＿||＿||＿||＿||＿||
　　　　[二二二二二二二二二二二|l三三三三ｌ|二二二二二二二二二二二]
　　　　　　| .|:::::::::::::::::::::::| .|::::::::::::::::::::::|l三三三三ｌ|::::::::::::::::::::::| .|:::::::::::::::::::::::| .|
　　　　　　凵:::::::::::::::::::::::凵::::::::::::::::::::::|l三三三三ｌ|::::::::::::::::::::::凵:::::::::::::::::::::::凵
　　　　　　　　　　　　　　　　　／／_ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　／／＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ _＼＼
　　　　　　　　　　　　　／／＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＼＼
　　　　　　　　　　　 ／／_ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ _＼＼


　　　　　　　真新しい社殿の前に並び、一同は揃って柏手を打つ。


.

413 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:35:59 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　 　 　 　 ,ヘ　　　　　 　　 　 ,:ﾍ.
　　　　　　　　　　 　 /: :　＼　　　　 　 ／::　 !
　　　　　　　　　　　/::::.....　　＼--―‐'.:.:::...　　!
　　　　　　　　 　 /::::::　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　 　 　 ,'::::　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　　　 i::::　　　 　 '''''''　　　　 　　 ''''''' 　 !
　　　　　 　 　 !:::. 　 　 　（　● ）, 　　　､（ ● ）　!
　　　　　　 　 |::::..　　 　 　 　　.　,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　 　 l　　　　　　　 天神さん、えらい遅うなりました。
　　　　　 　 　 i;::::..　 　 　 　 　ﾉ　　　　　､ ゝ 　　!
　　　　　　　 　 ':;::::...　　　　　　 ー‐ ==イ　　　　/.　　　　　　　 約束の銀二貫、
　　　　　 　　　　.＼:::::.....　　 　 　 ヽ--‐'　　　／
　　　　　　　　　　　 ｀ゝ:::::........ 　　　　　......／_　　　　　　　　　　確かに寄進さして頂きましたで。
　　　　　　　　　　 イ:::::|::::::＼ ﾞ_＞ 介　√ヾ::::::＼
　　　　　　　　 ／::::::::::::＼:::::::ヽ 　 }:::{　|::::/::::::::::::ヽ
　　　　　　　 ./:::::::::::::::::::::::＼:::::ヾ...i::::}　!:/:::::::::::::i::::i
　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::＼:::ヾ!::::}.〃:::::::::::::::!::::!
　　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼;;;>〃:::::::::::::::::::!::::!


　　ダディが、鶴之助を連れてここで誓いを立ててから、実に二十二年の歳月が流れていた。


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414 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:36:33 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　この日を迎えるまで、気の遠くなるほどに長い、長い道のりだった。


　　　　　　　　　 _ _＿＿＿＿
　　　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　 /::, -─､::::,─‐--､::::::::::ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　. 　 |::/　　　 Y 　 　 　 ＼:::::::ｌ　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　|/　_,,ノ　　　ヽ､　　　 |::::::|　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　　___ノ'′　　 ﾞヽ､___　　＼
　　　　　　loﾟ(（ο）)　(（ο）)ﾟo　.|:::::|　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 .'⌒｀　　 　 　 ´⌒ヽ..　　＼
　 　 　 　 (⌒　 　 　 　 　 ⌒ 　〈::::::l　　　　　　　 　 　 　 ／. 　　　（｡ｏ● ） ﾉヽ　 （ ●o｡） 　 　＼
　　　　　　 l　（_＿人 ＿__ ） 　 　@）　　　　　　　　　　　 |　　　 　 °oﾟﾟ~'"´　 　 　 ｀"~゜oﾟ;°　 　 .ll
　　　　　　 |　　|　r┬─‐|　　 　　|　　　　　　　　　 　 　 |.　　 　 　　　.（　　　 j　　　 ）　　　　　 　 .|
　　　　　　 |　　｀　⌒　 ´　　　 　 |　　　　　　　　　　　　 |.　　　　　　　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 　 　 l
　　　　. 　 丶　　　　　　　　 　　 /　　　　　　　　　　　 　 ＼.　　　　　 　 　 ｀ ⌒ ´　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　 ﾉ､.　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　 　　　　　　　　　　　　 　 ／
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　主の隣でいく夫が滂沱と涙を流している。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　やる夫もまた、肩を震わせて泣いていた。


.

415 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:36:58 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ダディは万感の思いで、天満宮の空を見上げる。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ヘ　　　　　 　　 　 ,:ﾍ.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　/　: :＼　　　　 　 ／ 　::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　/　　.....::::＼--―‐'　　.:.:::...!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　 　　: : : : : : : : : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　,'　 　 　 　 　 ..: : : : : : : : : : : : : i
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !　　　 　 　 　 .: : : : : : : : : : : : : : : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 　 　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : l
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i　　　　　　 .: : : : : : : : : : : : : : : : : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　'., 　 　 　 : : : : : : : : : : : : : : : : : /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　＼　　 : : : : : : : : : : : : : : : : ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　｀ゝ:::;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;;＜_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!


　　　　　　　　　　　　　雲ひとつない真澄の空から、輝く太陽が井川屋主従を照らしていた。


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416 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:37:17 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￤
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　 　　 　 　 　 !

417 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:41:24 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　その年の夏。


　　===================================================;;;|..│
　ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ
ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣ﾉ￣
==@==@==@==@==@==ｒ─ー─‐-──ー┐@==@==@==@==@==@==
─────────‐| 　井　　川　　屋.│─────────
:: : :|　|;;| :::: :::: :＿＿＿＿｀ー─-─-‐ー─┘＿＿＿＿:::::::::::::: :|　|;;| :
　　|　|;;|　　　::||三三三|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三|＿＿|＿_,,ﾉ＿__,ﾉ＿__,,|三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|　　　::||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三三||:　　　　|　|;;|
　　|　|;;|::::　／||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三 ／:: :::::::::::::|　|;;|:::::
|￣￣|￣￣|.　||三三三三||:::::: ::: :: :::::::: :::: ::||三三三||￣|￣￣|￣￣|￣
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
|　 　 |　 　 |.　||三三三三||::::: :::::::: :: ::: ::::: ::||三三三||　 |　 　 |　 　 |
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418 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:41:52 ID:.Glw7IAc0

　　手桶の水を取り換えるため隠居部屋を出て来た翠星石に、やる夫が心配そうに尋ねる。


　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　 　／ノ　　＼　　 u. ＼
　　　　　　　　　　　　　　／ （●） 　（●） 　　　＼　　　　　　 どうや、
　　　　　　　　　　　　 　 |　 　（__人__）　 　　u. 　 |
　　　　　　　　　　　 　　 ＼　u.｀ ⌒´ 　 　　　　／　　　　　　 お父はんの具合は。
　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　 　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ


　　　　　　　 　 〃.::.::!.l::!.:..:.:.:.;.::/.://.::l:::::::::.`､　　 ヽ　　ﾍ
　　 　 　 　 　 〃.:::l:::l::|:|::l:::::/:/:://:::ハ.:;.:.:::::.`,　　 V.:l:l`
　　　　 　 　 ./:::;:::::l:::l::|:|::l::/:/ //::::/ l:|:l:::::!::!::{!　　 !:::l:|
　　　　　　　 l::l::l:::::|:十ナl:＜　/::∠_ 」ﾄﾄ､:l::l:::{!　　 !:::l:|
　　　　 　 　 |::l::l:::::|:|:|yﾃ〒ミ#::/´,t＝=ﾐ､:ﾄ､::{!　　 !::::l:!　　　　今日は暑いさかい、
　　　　 　 　 |::ﾄ:ﾄ､:|:|:| f辷ソ.#　　_f辷ｼノl:l::l:::{!　　 !::::l:|
　　　 　 　　 ｀`Vハ1:ﾄ､### ､　　　 , , , , l::://{!　　 !:::l::!　　　　一段としんどうそうにしてはるの。
　　　　　 　 　　 i `ヽ小､#.　　_ 　　　 　 ﾉ//.::{!　i .j!:::l::|
　　　　　 　 　　 | ‐米 f{:.>.､　　｀ 　 ,. イﾚﾊ.::::{! 米j!::::l::!
　　　　 　 　 　,/| 　　 ,f{::l::l::＞==＜__ ノ⌒ヽ:::〉　!〈:::::l::|
　　　　　　　　/ .! 　 ! ,fﾚ'/｀`V,ｨ介入　 　 　 〈　　 〉:::l::|
　 　 　 　 　 /　 ! ‐米,f{ｿ　 ／/ﾉハ　`ヽ 　 　 〉米〈ﾌ⌒フ


　　　　　　　　　　　　　　　　翠星石は、少し悲しそうに首を横に振った。


.

419 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:42:15 ID:.Glw7IAc0

　無事に銀二貫の寄進を終えて安心したためか、ダディはここへきて急に寝込むことが多くなった。

　　　　八十二歳という年齢もあって、医者からは数日前に「夏を越すのも難しい」と言われた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼＿＿_／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─／''''''　　　u.　''''''::＼─ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　|（一）, 　 　、（一）、.| 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　|　　 ,,ノ(、_, )ヽ、,,　.:| 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　|.u　 ｀-=ニ=- '　 .:::::| 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .（ 　＼　　｀ニニ´　 .:::／ 　丿
　　　　　:::　　:::　::　　:::　　::::　　:::　　:::　　　　　 　 　 　 　 　 ￣ ／｀ー‐--‐‐―´＼￣
　　　　　　　::::::　　:: 　　＿＿＿＿　 :::::　　::::　　:　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣丶
　　　　　　 ::::::　　:::::／.::::::::::::::::::::::::.ヽ　:::　　 :::　　 ::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　 :::　　:::|.::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|::　　:::　　::　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　::::　　|::::::::/　 ─　 ─　|　::　　::　　　　 　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣￣￣　ヽ 　 　 　 │
　　　　　　　　::　 （@　:: 　.（○） （○）| 　:　　::::　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　│
　　　　　　　　　:　　|　:::::⌒（__人__）⌒)　:　 :::
　　　　　　　　　:::: 　＼　　　 ｀ ⌒´ ／ :　　 :::
　　　　　　　　　　:: 　ノ　　　　　　 　＼ :　　 :::
　　　　　　　　　　 ／´　　　　　　　 　　ヽ　　:::


　　　　　いく夫など、それから食事も喉を通らず、ずっとダディの枕元に詰めたままだった。


.

420 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:43:00 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　重い息を吐いてやる夫が言う。


　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　今年一杯、
　　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ ::::::: ゝ､　　＼
　　　　　 　 　 　 　 |　　　（○） 　（○） 　u |　　　　　　　　　　何とかお元気で居てくれはったら……
　　　　　　　　　　　 ＼　　　（__人__） 　　,／
　　　　　　　　　　　 ／　　　　｀⌒´　　　　＼


.　　/: : : : : : :ヽ:.l: : : : ＼ 　 ヽl ﾉ_ ',　　　 　 /'´:ﾍ´
.　 ,': : : : : : : : :l:.l: : : : : :.:＼ フlヽ.　', 　　　 /:.: : :.ﾍ
　 ,: : l: : : :l: :l: :l:.l: :ヽ: : : : : ヽ.　　　 l　　　/: : : : : :ﾍ
.　l:l: :l: :l: : l: l: :l: l､: :.ヽ: : : : :ﾍ　　　 l　　/: : : : : : : :ﾊ
　l:.l: :l: :l: : l: l:.:l: l ヽ: : ヽ: : : : :',. 　 　l　/: : : : : : : : : :.',
　l:.l: :.l: :l: : l: :l//　 ,＞､: :l: : : :.l ヽlﾉ_.l/: : : : : : : : : : : :',
.　l:.l: :ヽ:.ヽ:.l://‐''´／l.　`l: : : : l ﾌlヽ l: : : : : : : : : : : : :∧
　 l:.ﾄ､: :ヽヽ//　イ::ヽ′　l: l: :..:l　　　l: : : : : : : : : : : : : : ﾍ　　　　　ほんまに何とか……
　 ヽ! ヽ: : ://､　　`､ﾘ　　 l:l!: :.:l　　　.l: : : : : : : : : : : : : : :
　　 `　 ヽ//:.:l　　　´ 　 　l/!: :.l　　　 l: : : : : : : : : : : : : : :　　　　　 この子を抱いて頂きたいわ……
　　　　　/´　 l　　　　　　/ l: :./l ヽlﾉ_ l!: : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　'ｰ､　　　　　/／ .l ﾌ.lヽ l l: : : : : : : : : : : : : :
　 　 　 　　 　 　 `ｰ､,　　 '´.／!l 　 　 l´l: : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　 ｀＞＜／.l　　　/-'∨: : : : : : : : : : :
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /|　 l　　　l ﾊ_ﾉ∨: : : : : : : : : :


　　　　　　　　　　　　　　　　暮れには二人の間に、初めての子供が生まれる予定だった。


.

421 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:43:34 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　 ／　　 _ノ　 ヽへ＼
　　　　　　　　　 　 ／　　　（ ―）　（―） ヽ　　　　　　　　　 せめて天神祭りには、
　　　　　　　　　　 .l　 .u 　 ⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　　　　　 私が背負ってお連れしようと思てる。
　　　　　　　　　 　 ／　　　　 　 　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　　　　　　　　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞ ｆﾞﾆ、|
　　　　　　　　　　{　　　{　　 　 　 　 ＼｀7ｰ┘!


　　　　　　　　／ 　 ,イ^ヽ ＿米ｿ＿ _　＼　 ＼
　　　 　 　 　 〈 　 ／´.:,.:. :.:..:::::::/!:!:::::.:.:.＼jkヽ　 ＼
　　　　　　　　 `y' .:.::::/::,.:::::::::::/::lﾉ::::::､::ヽ::ヽ. t､＿_j
　　　　　　　　 / .:.:::::/::/.:::::::::/::/:ﾄ､:::::｀,:::!::::|　!:ﾄ､ /
　　　　　 　 　 |.:/.:.:/､/.:.::::,イ:://ﾊ::ヽ:;;:ヽ|:::::!/::::.:ｲ　　　　　　 それまでに床離れしやはるように、
　　　　　 　 　 l/ﾄﾄ,!::::仁ﾆヽ'#　, -‐＜:::::::!::::|{::::::.:.|
　　　　　　　　　　〉V::i:|ヾﾄｯｿ#.　´ﾄｯﾂ7::/::::/ !:::.:.::|　　　　　　 あとで天神さんにお願いに参ります。
　　　　　　 　 　 /,.ィ´ ﾄ､.###.､　 ' ' ' /::,::イ /:::::::.:.|
　 　 　 　 　 　 ,ｲ: :|　 |/ >､ _ ０_, .イ´7　 /: : ￣｀ヽ
　　　　 　 　 _ノ: : :j　 j!　　 ＼ フ／ 　!　 |: : : : : : : :.＼
　　　　 ,r‐'´／: : :{ 米|　　　,ｨ介　　　| 米|: : : : : : : : : : ゝ､_
　　 　./ :.／: : : : :.i 　 |　　 //小　　　! 　 |: : : : : : : : : : : ＼:｀ヽ


.

422 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:44:12 ID:.Glw7IAc0

　　　　　二人がそんな相談をしていると、店の方から丁稚が飛んできた。


　　　　　　　　＿∩
　　　　　　　/　〉〉〉
　　　　　　　{　　⊂〉 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　 |　　 | 　　 ／⌒　 ⌒ ＼
　　　　　　　 |　　 |　 ／(●)　 (● )　＼　　　　　旦那さん、ご寮さん、
　　　　　　　 |　　 |／　　　__'____　　　　 ＼
　　　　　　　 ヽ 　 |　　 　 |,┬‐ |　　 　 　 |　　　 桜花堂の旦那さんが
　　　　　　　　　＼.＼　 　｀ー ´　　　　 ／
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　＿＿　ヽ　　　　ご挨拶にお見えでおます！
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 　 (＿＿＿_/



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　　＿＿＿＿　＼
　　　　　　　　 　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　 ／　　/　 ／: : : : : : : : : : :＼ヽ
　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　＼ 　 　 　 　 　 　 　 ＼_　/　/: : : : :／ : : : : / : i: ＼
　　　　　　　 　／　　u　　 ノ　　＼ 　 　 　 　 　 　 .　}:.Y　/: : : ／:／ ／／: : /.:i: : '.
　　　　　　　／ 　　　　 u （●）　　＼　　　 　 　 　 . /: :|　|: :.:./二＞<／/: : :ｲ : |: : :i
　　　　　　　|　 　　　　　　　（__人__）|　　　 　 　 　 /: : :|　|: : :|#.示㍉.#/: ／＜:/: :ｉ |
　　　　 　　 ＼　　　　u　　　.｀ ⌒／　　 　 　 　 　 : : : :|　ヽ: :|#.弋ｿ.#/／r芳У: /l/
　　　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼　　 　 　 　 　 : : : ﾊ　　 ﾄ:ゝ.##.　　，ゞ'//: :/
　　　　 ／´　　　　　　　　　　　　 　　ヽ 　 　 　 　 .＿__人　 i| 　､　　o　 _＜: :ィ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ≫ｘ　 ヽ　ト､/｀ｰ=≦//　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ::::::(ﾊ　 ﾄ　､　　　Y､ | |　/


　　　　　　　　　　　　　　　それは大変、と夫婦が店に急ぐ。


.

423 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:44:41 ID:.Glw7IAc0

　店の方は、盛夏を前に糸寒天を求めに来た商人で溢れかえっていた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　　　,rrテ≡＝=-､
　　　　　　　 ,r=ヽ、　　　　　　　　　　　　r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、.（〃彡三ミミ::｀ヽ
　　　　　　　j｡ ｡ﾞLﾞi　　　　 rﾆ二`ヽ.　　　Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）./"~´　　　i三ﾐ::::i,
　　　r-=、　l≦ ﾉ6)＿　　　l_,.､ヾ;r､ﾞt　　 lｦ '・=　 ）;;;;;;;;{ f:､　‐-:、　(ミﾐ:::::::l
　　　｀ﾞゝヽ、`ｰ!　ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ　tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ'　　 ｱ::::::/.ﾉﾟｦ　''・=　　ﾘ::r-､ﾘ
　　　　にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ　 _,,ﾉ　,　　ﾞtﾌ　　ヾ;;;/ .l (-､ヽ'"　　ﾞ'´ﾉ),）
　　　,.、　｀~iヽ､. ｀~`''"´　ﾞt　（,,￣,　frﾉ　　 ゝ-‐―イーlｨｰ-､　　　　ﾉ-ｲ
　　　ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi,　ヽ　ヽ,/　　　/　　　　 　 t_ﾞﾞ 　 _,,.. :: "　 l、
　　　W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/　i　　　　　　｀ﾕﾞ"　　　　,ノ::ゝ､
　　　　￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl : :` : : ,.r‐(´::::〉　　 ,.ｨ":::::/::::::
　　　　　 lﾐ､　　／ f´　 r'';;;;;;;;;;;;;;;ヽ,ノ>''"　 ,:ｲ`i : : ,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
　　　　　 !　ヾ .il　　l　　l;;;;;;;;;;;;;;;;／ ／　　 ／:ﾄ-"__ﾘ:::,'::::::ゝ!r7/ｰ一'":::::::::::::
　　.　 　 l　　　ハ.　l　　l;;;;;;;;;／ 　/　　 ／ 　/￣''/::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　 人 ヾﾆﾞi　ヽ.l　 yt,／　　 /　 ／"　 /　　./::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::
　　　 r'"::::ゝ､_ﾉ　　ﾞi_,/　 l 　　 くｍ_j　_,,.〃_; :,ノ:::/::::::://://::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　 ｀￣´　　　　 ／　　l　 　　 ｀7´"／ 　 ／:::::i':::::://:://::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 ／　　　 l　　　 ./　　＿,,:ｨf-:､::::::!::/｀ﾞﾞフﾞ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::


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424 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:45:10 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　その賑わいが、ダディの隠居部屋にも届く。


　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　|.::/⌒Ｙ⌒ヽ:::::::::::.|
　　　　　　|　ノ　　 ＼　 ｉ:::::::|
　　　　　　|（─） （─ ） 〈::::::|　　　　　　 （ああ、今日も繁盛してる）
　　　　　(⌒（__人__）⌒::::　@）
　　　　　　|　 |r┬-| 　　　　|　　　　　　 （ありがたいことや）
　　　　　　＼ `ー'´　　　 ／
　　　　　,--　ゝーー ___／ /ゝ--、
　　　　ｲ　/ |.!､ _____ ／　ノ　|　　 i
　　　　|　i　 |,／(__）ヽ／　　 |　 　l


　　いく夫はダディの枕元でその殷賑に耳を傾けて安堵する。


.

425 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:45:38 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　ふっと、ダディが瞳を開いた。

　　　　　　　楽しい夢を見ていたのか、口元が緩んでいる。


　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　　　　　　　　　 ／／~ 　　 ~＼:::::＼
　　　　　　　　　　　 . |　 r=-　　　r=ｧ 　 .:|
　　　　　　　　　　　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|
　　　　　　　　　　. 　 |　　 ｀-=ﾆ=- '　.:::::::|
　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　　　　　　　　　　　／｀ー‐--‐‐―´＼


　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　..　　 ／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　..　 　|:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ :.|
　　..　　 |:::::::::/ ._ノ 　ヽ　 ..|
　　　　　|:::::::〉 （ ○） （○）|
　　.　　（@　::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　 旦那さん。
　　　　　 |　　　 　 |r┬-|　 |
　　　 　　＼ 　　　`ー'´ ／　　　　　　　 起きはったんだすか？
　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


.

426 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:45:56 ID:.Glw7IAc0

　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼
. 　 |（○）,　　　､（○）､.:|
　　|　　 ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　.::::|　　　　 今…天神祭りのお囃子が聞こえへんかったか…？
. 　 |　　 ´ﾄｪｪｪｲ｀　 .::::::|
　　 ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／
　　　／｀ー‐--‐‐―´＼


　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
　 　 |.::::γ⌒ Ｙ ⌒ヽ::::::|
　 　 |::::/　⌒　　⌒　 |:::|
　　　|:::〉 （●） （●） 〈:::|
　 　（@ ⌒（__人__）⌒ @）　　　　　　そうだすか？
　　　 |　　　|r┬-|　　 |
　 　　＼　　`ー'´　 ／
,,.....イ.ヽヽ、___ーーノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i


　　　　　　　　　いく夫は耳を澄ませる素振りをする。


.

427 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:46:14 ID:.Glw7IAc0

　　　　　＼　　　　　　　|　　 　|　　　　　/　　　　　　　 　　／
　　　　　　 ＼　　　　　　| 　 　|　　　　/　　　　　　　　／／
　　　＼　　　 ＼　　　　　| 　　|　　　　　　　　　　　／ ／／
　　　＼
　　　　　　　ﾊﾊ
　　　　　　 (ロﾟ=)　　　 ﾊ ﾊ　　　　　 ∧∧　　　∧ ∧
　　　　ﾍｎ　| 　､ ヽ　　(∀ﾟ=)　　　　(∀ﾟ =)　　 (Дﾟ*=)
　　　　`ｰ､｀(´`´_ﾉてγ(´) ⌒ヽ　　 /　　＝ヽ　/　　＝ヽ
　　　　　 /￣/⌒ﾉ　`ーヽ＿ノ ヽ　/ |　　Y(´9/　 　　　= |
　　　　 (__,ノ |　 |　　 　／／＝ﾉ /　 |　　 | ヽ　 |(´ヽ　|　 |
　　　　　　　 (＿)　　／　|　Y　 (＿／　／ ／`ー|＼ ｀　 ﾉ


　　　店からは奉公人たちの威勢の良い声が響いている。


.

428 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:46:30 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　ダディは声を出さずに笑う。


　　　　 /＼＿＿_／＼
　　　／　―　　　ー　::＼
　 　 |　 --､,　 　､ｰ-､　 .|
　 　 |　　,,ノ(o_o.)ヽ､, 　.::|　　　　　 ほれ…聞こえるやろ……？
　 　 |　　 ､＿＿＿　　 .:::|
　　　＼　　｀二二´　 .::／
　　　／｀ー‐--‐‐一''´＼


　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　＼　　／　|
　　　|::::::（ （ ＞）　（＜）|　　　　　　 ほんまだすなあ。
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)
　　　 |　　　　　|r┬-|　 |
　　　 ＼ 　　 　 `ー'´／
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.


.

429 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:46:51 ID:.Glw7IAc0

　　ダディは布団から手を出し、いく夫を手招きする。


　　　　 /＼＿＿_／＼
　　　／　―　　　ー　::＼
　 　 |　 --､,　 　､ｰ-､　 .|
　 　 |　　,,ノ(o_o.)ヽ､, 　.::|　　　　　 いく夫……いく夫……
　 　 |　　　ｒ‐＝‐､ 　　.::::|
　　　＼　　｀ニニ´　 .::／
　　　／｀ー‐--‐‐一''´＼


　　　 　＿＿＿＿＿
　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 |::::::::ゝ　＼　　 ／ |
　　　|::::::（ （ ─）　（─）|
　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　何だす、旦那さん。
　　　 |　　　　　|r┬-|　 |
　　　 ＼ 　　 　 `ー'´／
　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.


　　いく夫は身を屈めて、ダディの口元に耳を寄せる。


.

430 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:47:13 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　なあ……いく夫……


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私は……ええ買い物……


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　した……なあ……




.

432 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:47:34 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　いく夫の目から涙が溢れる。



　　　　　　　　　　　　, -─────────────-- ､
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::／￣￣￣￣￣￣＼／￣￣￣￣.|
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　|:::::::::::::／　　　　　　　　　─── 　　　 ──　|
　　　　　　　　　　|:::::::::::::＼　　 .　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　|:::::::::::::::｜　 　　　　／／:::::::::丶＼　　:／／::::丶丶
　　　　　　　　　　|::::::::::::／　　　　　 ｜ {:::::::::::::::::|　 |　 ｜ {:::::::::::::|　|
　　　　　　　　　／￣￣`　　　　　　　 ＼ヽ::::::::／ ／　　 ＼ヽ:::::::ﾉ／
　　　　　　　　　|　 　 　　　　　　　　　　 | |　,／　　　　 |　 　 　 ＼
　　　　　　　　　|　 　　　 　　　　　　　　 | | ｜　　　　 ｜　　　　 ｜
　　　　　　　　　＼＿＿/　　 　 　 　 　 .| | ｜　　　　 ｜　　　　　|
　　　　　　　　　　　|　　　.　　　　　　　　| |　 ＼＿＿／＼＿＿／
　　　　　　　　　　　|　　　　　 　 　 　 　 | | 　 　ヽ　　, ─ 、　ノ　'
　　　　　　　　　　　丶　 　 　 　 　 　 　 Ｕ　 　 　 　 　 　 　 　　l
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 )
　　　　　　　　　　　　　. .＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 .／
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　 　く


.

433 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:47:58 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　最初は、考えられないと思った。


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　／.::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　　　 |.:::::::::γ⌒Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　 |::::::::/　＼:三::／i:::|
　　　　 |:::::::〉（ ●）::（ ●）.|
　　　 .（@ ::::::⌒（__人__）⌒)　　　　　　丁稚やったら、
　　　 　 |　　u 　 |ｉ|!i|!|　　|
　　　　　＼　　 　｀⌒´ ,／　　　　　　 今の井川屋にはこれ以上必要おまへん！
　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノﾞ-､.
　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　|　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜


　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　 ／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　.　　|（○）,　　　､（○）､ :|
　　.　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
　　.　　|.u　　 (＾・＾>　 ｡.:::::::|　　　　　役に立たんかどうか、
　　　　＼ ﾟ　　⌒´　u .::::／
　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､.　　　　　まだわからんやないか。
　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　|　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


.

434 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:48:18 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　いつの間にか、その働きを認めるようになり、


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
　　　　　　　 　＿＿＿＿＿
　　　　　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　 　 |::::::::ゝ　―　　―　|
　　　　　　　|::::::（ （ 一）　（一）|
　　　　　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　　ようやった。
　　　　　 　　|　　　　 ｀ ⌒´　　|
　　　　　　　 ＼ 　　　　 　　 ／
　　　　　,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.
　　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i


　　　　　　　 ／｀ｰ──一'＼
　　　　　　 ,ｒ（●）(､_, )､（●）＼
　　　　. 　 |　　'"トﾆニﾆ┤'｀ .:::|
　　　　　　|.　　　|　 　 .:::| 　 .::::|
　　　　. 　 |　　　ヽ　 .::::ﾉ　.::::::::|　　　　　いく夫、褒めんのやったら、
　　　　　　 ＼　　 ｀ﾆﾆ´ ..::::::／
　　　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ーーノﾞ -､　　　　　もっとちゃあんと褒めたりなはれ。
　　　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


.

435 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:48:46 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　気づいた時には、家族になっていた。


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
　　 　　 　＿＿＿＿＿
　　 　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　 　 　 |::::::::ゝ　―　　―　|　　　　　 そらもう、
　 　　　|::::::（ （ ─）　（─）|
　 　 　（@　 ::::⌒（__人__）⌒)　　　　 あの二人見てたらはがいいて、はがいいて。
　　 　 ｌ^l^lｎ 　　 ｀ ⌒´　｜
　　 　 ヽ 　 L　 　　　　 ／　　　　　　わたしもご寮さんと一緒になって
　　 ,,.... ゝ 　ﾉ_、___ ーノﾞ-､
　 .i　／ 　/ ';　＼_____ ノ.|　ヽ　　　　 盛大に焚き付けたいくらいでおます。
　 l /　　 / 　 ＼/ﾞ（__)＼,| 　 i


　　　　　　/＼＿＿_／ヽ
　　　　 ／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
　　. 　 |（○）,　　　､（○）､ :|
　　　　|　⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.:::|
　　. 　 |.u　　 (＾・＾>　 ｡.:::::::|
　　　　 ＼ ﾟ　　⌒´　u .::::／　　　　　そら火事やがな……
　　,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､
　　:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ　i
　　　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i　|
　　　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |｜
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


.

436 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:49:10 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　いく夫は主に向かって、両手をつく。


　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |::::::::ゝ　:::::＼:::／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::（ 　｡<一>:::::<ー>
　　　　　　　　　　　　　　　　 　（@　:.::: ｡ﾟ~（__人__）~ﾟj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　、 u　;゜.｀ ⌒´,;／゜
　　　　　　　　　　　　　　　　 　／　ﾟ:j⌒ヽﾟ 　'"'"´(;ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　/　,＿ ＼　＼／＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;


.

437 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:49:36 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　へえ、旦那さん！



　　　　　　　　　　ほんに安うて、ええ買い物でおました！！







.

438 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:49:50 ID:.Glw7IAc0

.

439 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:50:19 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┏━┫┏━┓ ┏━┫┏┳┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃　 　 ┣━┫ ┗━┓ 　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┗━┫┛　 ┗ ┣━┛ 　┻










.

440 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:50:45 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　／ 　 　 ＼,　 　 　 ,／ 　 　 ＼
　　　 　 　 .／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　　＼
　　　　　／ 　 　（　　　● l 　 　l ●　　　） 　 　＼
　　　　　|　　　　 ヽ_　 　_ノ　　　ヽ_　　_ノ　　　　　|
　　　　　|　　　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"'　 　 　|　　　　　　　　　井川屋丁稚 ： やる夫
　　　　　 ＼　 　 　 　｀┌,─'＾ー,,-┤　　　　 　 ／
　　　　　　　＼　　　　　｀ー -- -一'　　　　　／　　　　　　　　　　 【やる夫；２ｃｈ】
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／￣￣ヽ;　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　 　（｢　　　 ｀rﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　ヽ　　　ノ　　　　　　　　　　　　　　i　　　|
　　　　　　i´￣￣｀i　　　　 　 　 　 　 　　　　l　　　|


.

441 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:51:28 ID:.Glw7IAc0

　　 ＼ ノ　　７ﾌ x‐―イ ＞─ へ _＿　水　　ヽ　　 ／
　　　 /　　 r”´ /::.::.::.／::..::.　..::i::.ヾ::.::.:＼　　　 ヾ /
.　　 /7 r”´::.::./::.　 /　.::　　.:::.:.|::.::.:ヽ::.::.: ヽ 7/k　|
　　 レｲ:.　..:.:.i::.:...:,ｲ:.:..:/　 ..::..:: ﾄ::.::.:.::',::.　　ヾ ”　 .｝
　　//::.　 ..::..:l::.::/乂: /..::.ｲ..::.:i: | .ヾ::.::.ヽ::..　　V　 k'
.　/ i::.　 ..::. : |: /::/ﾒ/:／/..:::/|/―― ､::.:｝ｰ.:.　i　　ヽ
　　 |:.　 ..:::....:|/_/ム-　/:..／/　，_＿_, ＼!::.i ..::|7米 ト､
　　 {:. ﾄ:..:::.. :.V/／zミ,,／.#　　 衍ﾊ;:::l;:ｱ.|::.l::.. |　　 .ヽ::｀:....._
　　 i::.:ﾊ::. .:. .:.K《ｲ.l:..:ﾊ.#.#　　　 乂:=:ソ 从:!::./　　　　｝ヾ::...:｀:..ｰ
　　 ヽ:{ ヽ:..:..ヾゞ弋=ン.#.#　　　　 ”￣ ｲ7:/!/ﾍ　　　　ヽ::.｀::.ー:-　 　 　 　 　 翠家の嬢さん ： 翠星石
　　　{.＼ ＼::＼ゞ#”".##　 ,　　　　　　　／ﾉハ ヽ　7K= ＼::.｀ヾ::.
.　　　｝,il ヽ{:ヽ _::≧､##　　-ー.ｧ 　 　／i::.l::.',::.:ヾ:＼”　　　｀ｰ ､::.　　　　　　　【翠星石；Rozen Maiden】
　　　｛7米ﾉ/::.ｲ::/＞...._　　 ｀ ´　　イﾄ､_|::.|::.:ヽ::.:',::.::｀ｰ.､　　　　ヽ
.　　 /　　ｲ::／::/:r＝vノ＞　 _　イ.　 |,,; .ヽﾄ,::. ..::. :..ヽ::.::.:＼ーｰ ､
..　 /　　ノ://::/:rZ/ r==､　V　　　　У　　 ＼ヾ::.::.:＼::.:::.::.:ヽ
..／7{ﾉr″.ｲ::.／Zﾉ .||＞ﾐﾒ､V　,,／＿＿　　　 ` ー ､_::.::.::.::.::.:.
　　／:／/:／rZ/　 .||＿_ ヾに}=ｲ￣￣｝｝　　　rZz⌒入::.::.::.::.:..＼
　/:.〃 ./ｲ rZソ　　 ＞=＝{に}ﾐ､　 　 //　 rZzソ/////ヽ::.:ヽ::.::.::..
ｲ::.{{ ／//rZソ　　/ ／　　i{{ } ＼辷ﾆ_/　rZzｿ////////ﾊ::..::',::.::.:::


.

442 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:51:50 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 ヽ_　　＼
　　　　　　　|　　　 （⌒ ）（⌒）
　　　　　　.　|　　　　 （__人__）
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　井川屋丁稚 ： やらない夫
　　　　　　.　 |　　　　　　 　 }
　　　　　　.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　 【やらない夫；２ｃｈ】
　　　　　　　　 ヽ 　　　　　ノ
　　　　　　_,,,,ノﾍﾍ　　　 // ＼、
　　_,,..r''''": : :ﾍ::ﾍﾍ.　 //: : / ￣`''ｰ-､
　 /: : : : : : : : :ﾍ::ﾍﾍ//: : /: : : : : : : : : ヽ
　ﾉ. : : : : : : : : : ﾍ::ﾍ/: : / : : : : : : : : : : : }


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:::::::γ⌒^Ｙ⌒ヽ::.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|::::::::ゝ　＼　　 ／ |
　　　　　 　 　 井川屋番頭 ： いく夫　 　 　 　 .|::::::（ （ ─）　（─）|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （@　 ::::⌒（__人__）⌒)
　　　　　　　　 【いく夫；２ｃｈ】 　 　 　 　 　　　　|　　　　　|r┬-|　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　　 　 `ー'´／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,.....イ.ヽヽ、___ ーノﾞ-､.
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 :　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i


.

443 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:52:10 ID:.Glw7IAc0

　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
./::::::::::::::;ﾊ:/ゝ、::::::::::__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
i::::::::::::;ﾍl　ヾ　　,,'ﾆ¨--¨ﾆ､‐-''´ヽ:::::::::::::::::!
!:::::::::::l　ヽ. 　 7"::;:::::＿::､ヾﾞi　 　 _ヾ､:::::::ﾊ
::::::::::::i丶.　　 l::::k'_´_o__ﾞ,!:::7　　7;:::＼ﾞ¨" ,l,
::::::::::::ｌ丶　　　ﾞー───‐' 　 . k'^ヽ、ﾞi　 ﾉ
::::::::::::ゝ　 　 ,ｧ''''"￣￣￣''ー''¨ヽ｀ﾟ'-ﾞ_,!　丿
:::::::::::::::〉　,.'",ｎ.　　rャ 　 ,-､　　　ﾞヽ､ 　 ,ﾉ
l:::::::::::::ｉ　　　|:::| 　 |::::| 　.i:::::|　　;ﾍ 　 _ヽ.,!　 　 　 　 　 　 　 　 翠家店主 ： ジャギ
|::::::::::::ｌ　　 _,レﾍ.　|:::::!　 !:::::l　 ,l:::;!　 i:.:i 〉
}::::::::::::!　'´　　　,}　|:::::l　 !::::::!　,!:::;!　;': 7,!　　　　　　　　　　　　【ジャギ；北斗の拳】
!::::::::::::l 　 　 　,/l.　!:::::!　ｌ::::::l　,!:::;! 〃.7.l　　　 ,ﾊ
:::::::::／i.　　　,/::::ゝ.l::::::し'::::::i. ,!:::;!.〃,/　｀ー‐'" ,}
:::／ 　 ｀ー､":::::::::::::::::::::::::::::::¨:::::ﾚ'!_/　　 　 　 ,/
:::l　:　 :　　:: ゞ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ゝ.,,,＿,,,,／
:;'　;　　:　　::　　｀ヽ、::::::::::::＿::::::::/　l
;　,'　　; :　　::　　　　￣￣:::: ,' ￣　;　i､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |;;;|　　　　 　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ゞ;! r─-- ､　　,rｪ--- ､ﾐ;ﾘ
　　　　　　　　原村の寒天職人 ： 高和　　　　　　 　 　 !ﾍl;|　'_＿__` 　,ｨ '"世ﾝ　｢ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　　　　【阿部高和；くそみそテクニック】　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `| 　　 　 ^'='^ 　　　 ﾑ'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,rﾄ､　　ｰ_ ‐-‐ｧ'　 　/|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _..／ i| ＼　　　二" 　 ,ｲ.:ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　i|　ﾞ､＼　　; 　 ／ﾘ.:;!:::＼､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ!　 ﾞ､　`ｰ─''ﾞ:::;:'::::|::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾞ､　　　　　　:::/::::::|::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `ヽ、　 ﾞ､　　　　　./　　.|　 ,-､、


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444 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:52:32 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　 　　 　 __,,,､,, 　 ,,､- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 ／´: : : : : ｀´: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　　　　　　　　　 /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
　　　　　　　　　　　,': : : : : : : l: : :/:./　∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
　　　　　　 　 　 　 l: l: i: : l ／!／∨　　 |/　∨∨!: :::::::l
　　　　　　　　 　 　ﾚ!: !: :l i´""'''ｰ-　　　,､-ｰ'''` l: :::::ﾍ!　　　　　　鈴三屋店主 ： キョン
　　　　　　　　　　　 ∨ﾍ i | ｒ=＝ｧ　　 .,　r≡=､/::∧|
　　　　　　 　 　 　 　 !ﾍ∨ゝ　 　 　 　.i　　　　∧ｿ　　　　　　　　 【キョン；涼宮ハルヒの憂鬱】
　　　　　　　　　　　　 ﾚヽi l　　　　　　 ｝　 　 ∧ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚﾍ　　　__＿___　　/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　∨＼　ヽ __ /　／ ′
　　　　　　　　　　　　　　／i｛　 ＼ 　` ／i
　　　　　　　　　　　　 　/:::::l ﾍ　　 ｀　´　∧＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : ,:ｨ ´ .　-―――-ヽ: : ヾﾕx―-､ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : ／:/／ : : : :＼: ＼ : : : ': : : :'，＼_ﾉ : :'，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ./: :/ : 〃 : : : ＼: : : ＼: ＼: : :ｉ: : : :'.　 〉､: : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / : 厂,:'ｆ: : : |:｜: : ＼ : : :／:|＼l: : : : |Ｖ{＼＼|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:／| /: :|:＿∧:|＼ : : | Ｘ,ｘ≠ミ､|: : : : !ヽiヽ.iヽ:ヽ
　　　　　　　鈴三屋のご寮さん ： ハルヒ　　　　 　 　 ｆ: :＼|ｆ: : :|: : :|,≧ﾐ､ ＼:! 〃Ｙんｨ}》 : : : ト:||: :||: :ｉ :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｜: :/: !: : :N|:〃んｨ}　 　 　 弋ぅりj : }: : |j ||: :||: :| :|
　　　　　　　【涼宮ハルヒ；涼宮ハルヒの憂鬱】 　 　 .| :/:|:｜:i :|: ヽ!弋:り　 　 　 　 　 /: /: :厶ｲ|: :||: :| :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:′|:｜:l :|: : :{　　　′　 _ノ 　 /: / : / : : !|: :ﾘ: :| :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|l　 |:｜:|N : : |＼　　 ￣_　　 /: / : / : : く/: : : : ! :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　||　 !八 | : ＼:!: : ｀ : . .　__　/: / ; ｲ人 : : : : : /| | :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ、　　ヾ : : : ＼: : :i: : :人/ : ／　　　 ＼/: /　!;ﾊ:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　 ＼{＼:{＼|／／|／,．　´￣￣｀∨　.ﾉ　:i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,．‐≦二.._/ 　 ／　/ 　 　 　 　 :,　 　 ﾉ


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445 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:52:54 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　 ／￣＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　 　|
　　　　　　　 　　　　 　 ＼＿／
　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　 　／ ￣ ￣　＼　　　　　　　　苗村脱藩浪人 ： 彦坂オプーナ
　　　　　　　　　　／　　＼　／　　＼
　　　　　　　　 ／　　 ⌒　　　⌒ 　　＼　　　　　【やるオプーナ；２ｃｈ】
　　　　　　　　 |　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　　　　　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣ ＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: .:.:.:./ ..:.:.:.:.:./:.:.:.:.: .i:. :.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':.: .:.:./　.:./.:.:/:.:.: .:.l .:.l:.: .:',:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.:.| :.:.l. :.:.//:/:.:.,':.: .:|:.:.:!:.:. .|:..:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /:.: l:.:.:.|:.:.//:/:.:./.:.:. //∧'.:. !:.:.:.:.:.|:.l
　　苗村藩士 ： 建部ルルーシュ　　　　　　　　　 　 　 /ｲ.: .|:.:.:.l://l//:./.:.:.:.///　_ヽ:l:.:.|:.:.:|'.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /:.:.:.r':.:.|ド㍉､'/}.:.:.///_,∠zﾐ.|:.:l.:.!:{ ヽ
　　【ルルーシュ・ランペルージ；コードギアス】　　　　 /´|:.,:.ヽﾊゞｆｪ'ｲﾄ.|:.//廾ゝｭ'ｲﾌ:./ }:.lヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:.{ヽヽ:ヽ ￣i!´ﾘ　,' 　　￣ //ｲ:.l'.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ! ヽ:.l:ヽ.　　　　i!　　　　/':.:.ﾊ:.| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l:.|:.:.＼　　!ニニ!　／l:.:.|　',{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾘ.ｿ}Fr＞､｀＝´イ／ｦ.:.{　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉl｀＝r ≧≦ｦ／ｆ |｀ヽ


.

446 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:53:16 ID:.Glw7IAc0

　　　 　 /　　　　/ 　 |　　 |　　　　　　　　|　｜ | |　　 |　| | 〈:::〈　　　　|::::|
.　　 　 /　　　　/　　｜ 　 |　l　　　　　 　 |　 |　| |　　 |　| |　l＼＼____丿 ﾉ
　　 　/　　　　 ′　　|　　 |　|　　　　　 　 |　 |　| |　　 l　ｌ｜ |　 ヽニニイ
.　 　 ′ｌ　　　　　　　|　｜|　|　 　 　 　 / |　ﾉ 厶|－/　十| ┼-　、//　|
　　　l　l|　 　 l　　 　 |　 |｜｜　　　　 /　.|イ´　/　/ ― トL｜　　//　 l|
　 　 | ｌ |　　ｌ |　　 　 |　 |｜｜　　　 l ′ ﾉ/　 /／＿＿_l/l　|　　l:::| 　 ｌ|
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |｜ ＞、　　| | ／　 　 彡＝＝＝キ≦　|:::|　 '｜
　 　 | | |　　| |　　 　 |　 |／　へ＼　| l　　　　　　　　　 　 |ｌ｜　 |:::| /　|
　 　 | l∧　 |｜　 |　 |､/| l／ 　 ＿_　　　　　　　　　　　　 ||｜　 ＼〉　 |
　　　ヽ　 ＼|｜　 |　 | ヽ〈 　 彡'"￣　　　　　　　　　　　　ｌ|｜　　/| 　 |　　　　　　　　翠星石の養母 ： 水銀燈
　　　|::::|＼|::l├ﾍ、 、ｌ　 ＼ 〃　　　　　　　　　　　　　 　 ｜|　　'　|
　　　|::::|　 レ＼ | ＼＼ 　 ∧　　　　　ヽ　　　　　　　 　 　 ｌ | 　 |　|　/　　　　　　　　 【水銀燈；Rozen Maiden】
　　　|::::|　　　|　|l ｜ ｀ ＼ トﾍ　　　　　　　　　　_,. ‐　 　 ノ八　 |　|./
　　　|::::|　　　|　| ｌ｜ 　 ｜ｌ|　＼　　　　　 －　´　　　　　　　　ヽ|　|′
　　 └┘　　 |　|∧l　　 ｜||　 　 ト　　　　　　　　　　 　 　 　 　 二|
　　　　 　 　 八 |　ヽ　　｜|ｌ　 　 |　　|＞　　.　　　　 _　 ´ ／／..::.:|
　　　　　　　 　 ＼　 ＼ ｜ﾘ　 　 |　　|　　　　　｀Ｔ爪＿／／..::.::.::.:|
　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　|　　|　　　　　　|＞〔]‐＜ ::.::.::.::.:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ　　| 　 　 　 ／イ/＾ｌ ト､＼::.::./


.

447 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:53:35 ID:.Glw7IAc0

　　　　　 　 　 　 ,ヘ　　　　　 　　 　 ,:ﾍ.
　　　　　　　 　 /: :　＼　　　　 　 ／::　 !
　　　　　　　　/::::.....　　＼--―‐'.:.:::...　　!
　　　　　 　 /::::::　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　　 　 　 ,'::::　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i
　　 　 　 .i::::　　　 　 '''''''　　　　 　　 ''''''' 　 !
　　 　 　 !:::. 　 　 　（●　）, 　　　､（●　）､ !　　　　　　　　 井川屋店主 ： ダディ
　　　 　 |::::..　　 　 　 　　.　,,ﾉ(､_, )ヽ､,,　 　 l
　　 　 　 i;::::..　 　 　 　 　ﾉ　　　　　､ ゝ 　　!　　　　　　　　【ダディクール；２ｃｈ】
　　　　 　 ':;::::...　　　　　　 ー‐ ==イ　　　　/
　　　 　 　 .＼:::::.....　　 　 　 ヽ--‐'　　　／
　　　　　　　　 ｀ゝ:::::........ 　　　　　......／
　　　　　　　 　　,ﾚ─── ､　　　　/
　　　　　　　　 _j＿￣￣＼＼ ＼ /
　　　　　　　　l　　￣ -- ､＿ー ､ ＞
　　　　　　 　/　　　　　　　＼ ヽ､　＼


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448 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:53:52 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　　　　≪原作　『銀二貫』（幻冬舎時代小説文庫）　著：高田郁≫














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449 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:54:17 ID:.Glw7IAc0

　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　 　 　 　 ´￣＼
　　　　　 　 　 　 ／　　　　 　 ＼　　　　　 ／　　　　 　 　 ＼
.　　　　　　 　 ／ 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　 / 　 ／⌒＼　　(＼ ヽ
　　　　　　　　　　 ⌒　 　 　 ⌒ 　 i　　 ./　／: : : : : / ヽ　 ⌒' ∧
.　　　　 　 　 ｉ 　 (●)　　　　(●)　| 　 /／／: : /: :/:∧ ∨　　　∧
.　　　　 　 　 | 　／／／／／／ 　|__彡ィ: : : ／:／|/ ⌒ﾄ∨　＿　ｉ
　　　　　　　　､　　　 (__人__)　　　ﾉんﾊ |: :イ灯ｌ.#　 ¨灯|: :∨んﾊ |
.　　　　　　　　 ＞‐-　　　　 -‐＜　乂人､:.人##'　　::::::丿: : }乂ツヽ
　　　　　　　／::::ヽ:::::::::＼　/:|::::::::＼　　　＼: ＼ ｰ_. ィ^ヽ:_ノ__／ ￣
　　 　 　 ／:::::::::::::|:::::::|::::l∨/|:::::::::::::::. 　 　 ／/::｢ /:::／⌒ヽ
　　　 　 八:::::::::::::::|:::::::|::::| /:::|:::::|:::::::::::: 　 / 〃|::|/／　　-‐￢
.　　 　 /::::::::::::::::::: |:::::::|:: /::::::|::::::::::::::::::|__/　:|　|／ ／
　　　 /:::::::::::::::|:::::::|:::::::|:/::::::: |::::::::::::::::/　{ 　 ／ ／　　　　　　」
. 　　/::::::::::::::::::|:::::::l:::::::l__r=ミ:|::::|:::::::::ﾊ (薔)　　 　-‐(薔)　￣　 ｉ
　　/:::::::::::::::::::::l:::::::l:::::::|-|:　 爻::|::::::::|　〃|i＼／ 　　 || ||　　　　|
　 :::::::::::::::::::::::: l:::::::l:::::::|_从ｘ爻:::|::::::,′ 　 ／　　　　　　　　　 ∨
　ｉ::::::::::::::::::::::::::l:::::::l:::::::|_ﾏ()ﾏ,|::::|:::::i ⌒＼　　　＞―　　　　　　|
　|::::::::::::::::::::::::::l:::::::l:::::::|　⌒　|::::|:::;ｨ'⌒ヽ __ ／ 　 　 　 　 ＼　 |
.〈:＼_ ::::::::::::::::/:::::::l:::::::|　　　 |::::|::|｛＼{ﾉ{_,､＼
　i:::::| ￣＼:::/::::::::::l:::::::|　　｜|::::|::|｛￣|`ﾄ､ ＼ﾉヽ　　　　　　　 /
　|::八　　r┴――┐::::|　　｜|::::|::|｛　/八 ＼丿:::ｉ　　　　　　 ∧
　|:::::::::―:７￣￣￣:::::::|　　｜|::::|::| ∨∧ 　 　 V::|　　　　　／　ｉ
　|::::::::::::::/:::::::::::::::::|:::::::|　　｜|::::|八　 ! ！　 　 ∨ 　 　 ／　　｜
.　 ¨¨¨i¨::::::::::::::::::: |:::::::|　　｜|::::|:::::∨|　！　　　 ＼__／　　　　|
　　 　 |:::::::::::::::::::::::|:::::::|　　｜|:::::::::::::: |　 ！
.　　　八:::::::::::::::::::::|:::::::l: 　 ｜|:::::::::::::::ﾊ　 ！　　　　　　　　　　,
　　　　　i￣￣￣￣￣ 　 　:|　￣￣　　 　 ！　＼ 　 　 　 　 ∧
　　　　　|　　　　　　　 　 　 |　　　　 　 ∧　！ 　 ＼　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈￣ヽ
　　　　　|　　　　　 　 ｌ　|　 :|　　|　　　/ ∧　！　　　　　　　　 |　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,､＿＿＿＿|　 |＿＿＿＿,､
　　　　　|　　　　　 　 ｌ　|　 :|　　|　 　 |　 ∧　　　　　　　　　　｛_　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿　ヽ,
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　　　　　ｒ 、　　_,|　　　　　　　 /　 　 ＞‐＼_ノ　 |　　|:::＼　　 　 　 　 　 ＼＿＿　　　　　　　　　　|　 |　 |　 |
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.　　　　八__ヽ_/＿}　　　　　　　￣￣￣／ーイ／⌒ヽ}≧=‐- ＼＼＿＿＿＿＿　　　　 　 .＿＿_/　/　　|　 |＿＿＿|　ヽ
　　　　　　￣￣￣　　　　　　　　　　 　 ￣└======┘　　　　　 ￣￣￣￣￣　　　　　 　 .＼＿＿/　　　ヽ＿＿＿＿＿）


.

453 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:58:03 ID:.Glw7IAc0

　　　 　 　 　 ヾ'''''''''-,へ
　　 　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !
　　　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!
　　　　 /!: /＼　　　　／　ヽ,/　　　　　　　以上にて
　　　　 ﾚ!小●　 　　 ●　 /~)
　 　 　　　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　　　「 やる夫は浪速の商人になるようです 」
　　 /⌒ヽ.ヘ　　ゝ._）　　　j /⌒i
　 　 ＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/　 /　　　　　　完結でございます！
　 　 　 .ヽ::::／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､__/


.

454 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:58:35 ID:.Glw7IAc0

　　 　 　 　ヾ'''''''''-,へ
　　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　　／: : : : : : : : : : : : : : : !
　　　~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　　　　　 原作の面白さに魅かれ、
　　　 /!: / ノ 　 　｀ヽ 　ヽ,/
　　　 ﾚ!小●　　　●　 /~)　　　　　　AA化を目論んだのが二年前。
　　 　 　|l⊃　､_,､_,⊂⊃_ノ
　 　 　 .ヘ　 　　　　 　j　　　　　　　　己の技量不足もあり、いったんは断念したものの
　　　　　/⌒l ､ -- _ 'イｱヽ
　　　　./ヾ三},'￣　　 ',:::::::::ｌ　　　　　　なんとかここまでたどり着くことが出来ました。
　　　　.ｌ:::::::::ﾉ　　　　　',::::::::}


　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　　　　　　 これもひとえに、
　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,/
　　 ﾚ!小ｌ＞　 　　＜ 　 /~)　　　　　　 読者の方々のおかげと思っております。
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ
　/⌒ヽ.ヘ　　ゝ._）　　　j /⌒i　　　　　 心より御礼申し上げます。
　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/　 ./
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､__/


.

457 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:59:11 ID:.Glw7IAc0

　　　　 　 　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　　　　 　 　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 　 　 　　； ／: : : : : : : : : : : : : : : !　{
　　　　　　　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　；　　　　　　 また、過分にも
　　　　　　　　 /!: /＼　　　u ／　ヽ,/　.ｶﾞｸｶﾞｸ.
　　　　　　　　 ﾚ!小●　 　　 ●　 /~)　　　　　　　　 三つものまとめサイトの方に
　　　　　 　 　　　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ ;
　 　　　　　　；:　.ヘ　 　{　 }　　　 j　　　　　　　　　　取り上げて頂くことができました。
　　　　　ｶﾞｸ …. r'⌒) ,､￣ __, (´ j 　；
.　　　　　 　　;　/ヾ三}ヽ‐-‐‐ {彡'´}　　　　　　　　　 この場を借りまして、改めて御礼申し上げます。
　　　 　　　　;;　ｌ:::::::::ﾉ　　　　 .|:::::::::l　;


　　　　 　 　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ　　　　　　　　　　　　やるやら書庫　様
　　　　 　 　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_　 っ っ　　　　　　ttp://yaruyalibrary.blog.fc2.com/blog-category-91.html
　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !　っ っ っ
　　　　　　　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　っ っ っ　　　やる夫を拾い読み　様
　　　　　　　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,/　　　　　　　　　ttp://yaruowohiroiyomi.blog.fc2.com/blog-category-22.html
　　　　　　　　 ﾚ!小ｌ＞　 　　＜ 　 /~)
　　　　　　　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　　　　　やる夫叙事詩　様
　 　 　 　 　/⌒ヽ.ヘ　　ゝ._）　　　j /⌒i　　　　　　　 ttp://epicyaruo.blog.fc2.com/blog-category-44.html
　　　　　　　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/　 /
.　　　　　 　　　ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本当に、ありがとうございました！

.

459 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 22:59:53 ID:.Glw7IAc0

　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !　　　　　 また、「 やる夫Wiki 」様に
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!
　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,/　　　　　　「 浪速の商人になるようです 」のページ、
　　 ﾚ!小ｌ＞　 　　＜ 　 /~)
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　 及び作者ページを作成いただいた方にも
　/⌒ヽ.ヘ　　ゝ._）　　　j /⌒i
　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/　 ./　　　　 御礼申し上げます。
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､__/


　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_　　＿＿
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !　　 ／　　　たかだか１，２年投下を行った程度のペーペーですが、
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!.　　＼
　　 /!: / ＼　　U ／　ヽ,,/　￣￣　　　やる夫作者の仲間入りを果たしたようで
　　 ﾚ!小ｌ○　　　○u　 /
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　　　大変嬉しい思いをいたしました。
　　　　./⌒l　　　　 　 j
　　 　/:::ヽ/,､ __,　 ノ　 ＿
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.::.'ヽ　　　　　見つけた時にはマジびびり入りましたが。


.

462 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 23:00:49 ID:.Glw7IAc0

　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_　　　　　　　また、先日前スレにて完結の運びとなりました
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !.
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　　　　　 “ Coctail Story ” シリーズを応援して下さった方々、
　　 /!: / ｌ/ 　　　｀ヽ u ヽ,,/
　　 ﾚ!小ｌー　　　ー 　 /~　　　　　　　特に、本シリーズをまとめてくださっていた
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ
　　　　./⌒l　　　　 　 j　　　　　　　　「 やる夫短編集 阿修羅編 」 様に
　　 　/:::ヽ/,､ __,　 ノ　 ＿
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.::.'ヽ　　　　 心より心より御礼申し上げます。


　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_　　　　　　　 私事ではございますが、
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !.
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　　　　　　この作品は私にとって本当に本当に大事な作品でありました。
　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,,/
　　 ﾚ!小ｌ●　　　● 　 /~)　　　　　　 この大事な作品を愛して下さった読者の方々、
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ
　/⌒ヽ.ヘ　　　　　 　　j　　　　　　　　まとめ、という形で守ってくださった「 やる夫短編集 阿修羅編 」 様には
　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/--
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.:.:.',　　　　　 どれだけ御礼を申し上げても足りない気持で一杯です。


.

464 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 23:01:34 ID:.Glw7IAc0

　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_　　　　　　　また、“ Coctail Story ”シリーズにつきましては、
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !.
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!　　　　　 スレを明示することは控えさせていただきますが、
　　 /!: / ｌ/ 　　　｀ヽ u ヽ,,/
　　 ﾚ!小ｌー　　　ー 　 /~　　　　　　　とあるスレ主の方が、繰り返し繰り返し応援して下さいました。
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ
　　　　./⌒l　　　　 　 j　　　　　　　　気恥ずかしくてなかなか御礼できておりませんでしたが
　　 　/:::ヽ/,､ __,　 ノ　 ＿
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.::.'ヽ　　　　 この場を借りまして御礼申し上げさせていただきます。




.

466 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 23:02:09 ID:.Glw7IAc0

　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !　　　　　　　 前作にて、「 この快感は癖になる 」的な事を申し上げましたが、
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!
　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,/　　　　　　　　間違いなく癖になってしまっております。
　　 ﾚ!小ｌ＞　 　　＜ 　 /~)
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　　　 ですので、遠からず次回作の作成に
　/⌒ヽ.ヘ　　ゝ._）　　　j /⌒i
　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/　 ./　　　　　　 取り掛かることになろうかと思います。
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､__/


　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !.　　　　　　　　まあ、投下速度を見て頂いてわかるとおり、
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!
　　 /!: / ｌ/ 　　　｀ヽ u ヽ,,/　　　　　　　 決して筆が早い方ではございませんので
　　 ﾚ!小ｌー　　　ー 　 /~
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ　　　　　　　　 公開までにはかなり時間を要することかと思います。
　　　　./⌒l　　　　 　 j
　　 　/:::ヽ/,､ __,　 ノ　 ＿　　　　　　　　 忘れた頃に……という事にならぬよう努めたいと思います。
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.::.'ヽ


.

467 ： ◆8epcM/V4rs ： 2014/06/04(水) 23:02:41 ID:.Glw7IAc0

　 　 　　　ヾ'''''''''-,へ
　 　 ヾ￣:ヾ: : : : : : : :ヘ_
　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : !.　　　　　　 では、またお目にかかる日まで、
　　 ~/: : !!/!/リ＼!＼!､:: : :!
　　 /!: / ノ　　　 ｀ヽ　ヽ,,/　　　　　　　一時のお別れでございます！
　　 ﾚ!小ｌ●　　　● 　 /~)
　 　 　|l⊃　､_,､_,　⊂⊃_ノ
　/⌒ヽ.ヘ　　　　　 　　j　　　　　　　　本当にありがとうございました！！
　＼ /:::ヽ＞,､ __,　ノ ァ/--
.　　 ヽヽ:／ヽ‐-‐‐ｲ:::ﾍ､.:.:.:.',


.

455 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 22:58:56 ID:Ua3oJ4ew0

乙
完結おめでとうございます
しんみりと感動する素晴らしいスレでいｓた

458 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 22:59:44 ID:p03GQ2zU0

乙でした！
やる夫が報われて良かった
最後にダディが亡くなって終わり、じゃないのもいいね

456 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 22:59:00 ID:FDhYjVN20

乙でした。
ドラマと平行で見てたけど、どっちも面白かったです。
明日の最終回も楽しみだ。

469 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 23:04:55 ID:/j03ZNIU0

本当に乙でした
いい物語をありがとう！

470 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 23:05:01 ID:4HpAvj4o0

乙
本当に素晴しかった！
いく夫がこんなに魅力的なキャラだと思わなかったよ・・・・

次回作も楽しみにしてます！

476 ： 名無しのやる夫だお ： 2014/06/04(水) 23:15:35 ID:ZQwqKC5.0

乙でした
ホントに涙が出てくる…

前回の百万ドルの時の痛快な話も良かったけど、これも素晴らしかったです！

---

同作者様の前作未読のかたは【こちら】からどうぞ。

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• やる夫は浪速の商人になるようです 最終章前半 (2014/06/05)
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• やる夫は浪速の商人になるようです 第五章 (2014/03/19)

ええはなしやったで
また頼むで

素晴らしい話だった
てか百万ドルと同じ作者だったのか、納得

原作から読んだけどいく夫のセリフは泣けるわ

やるおが銀二貫の因縁を抱える話かと思ってたけど銀二貫に救われていく話だったんだね
感動したよ

ドラマと同時進行でとても楽しめました

やばい感動して2週連続で見てしまった。
1週目は流し読みでも2週目で気づいたりすることがあってすばらしい作品だ

完結おめでとうございます。
原作が大好きなのでいつも楽しく読ませていただいておりました。
ありがとございました。

「浪速の商人」で「ギンジが貫く」だから萬田はんとかカイジ系で
ゲスな輩が沢山出てくる不快な話だと思い込んで読まず嫌いしてたのが
もったいなかったわ。

いい話だった！

最後はかなり感動した
乙！

いい話や……ホンマええ話や……
厳しい浪速を舞台に、人間性が良い登場人物ばっかりで凄く楽しめたわ……

完結お疲れ様
結果的に丸く収まっているけど、どの商売人もちゃんと実利で動いているんだよね
だから、意味なく悪人が改心するとかなくて、すごいシッカリした雰囲気だった
でも、当時の27歳なんて、早ければ孫がいる年齢なんだろうな、そう考えるとすごい話だ

お疲れ様だす！　ええお話をほんまにありがとう！！
管理人さんもおおきに！　ありがとうな！！

ああ、久しぶりにやる夫スレ読んで涙ぐんじゃったわ
ほんとにありがとう

泣いたわーーーー
原作さながら面白かった
ＮＨＫにはれる

後半ずっと泣きそうになりっぱなしでした。
取り立ててお涙ちょうだいな展開も無いのに、ただひたすら、登場人物達の心意気が胸に響き続けました。

作者さんと原作者さんに心からの乙を。
まとめの管理人さんにも。素晴らしい物語でした。
これだからやる夫スレはやめられないんですよね。

俺も「浪速の商人になるようです」という題名のイメージで権謀術数渦巻く内容かと思って敬遠してたクチだった
もっと早く読むべきだった・・・一気に読んじゃったよ

暇つぶしのつもりで何の気なく見始めたけど、何度も涙をこらえきれんかった
素晴らしい作品だった

今更ですが乙です。

要所要所で「銀二貫」が出てきて使われる。
やっぱ金は使ってなんぼだ。

涙が止まらんかった
これは原作も読まなきゃならんな

「やる夫・・・
　生きるっちゅうのは・・・しんどいけど、楽しいな」

原作の良さもあるだろうけど滅茶苦茶読みやすくて面白かった
素晴らしい作品だ

面白かったー！いく夫のキャラがいいなあ

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